日々の暮らし 2023.10.23
こんにちは。
すっかりというのか、
ようやくというべきか、
秋になりましたね。
彩り豊かな秋、大好きな季節です。
庭のコスモスと、玄関先のマルバノキ。
全国的に今年は紅葉が遅れているようですね。
でも地味に少しずつ秋色に変わっています。
先日リフレッシュ休暇をいただき、
念願の四国へ行ってきました。
とにかく行きたいところを
詰め込み過ぎてしまった旅でしたが、
何を食べても美味しいですし、
どこへ行っても豊かで
素晴らしいところでした。
松山市にある伊丹十三記念館。
設計は、中村好文さん。
高さを抑えた箱型の建物。
外壁は焼杉で、中に入ると
かわいい芝生の中庭があり、
中心に桂の木があります。
それを取り囲むように
ぐるっと回廊になっています。
ちょうどこちらの本の内容の企画展
『食べたり、呑んだり、作ったり。展』
も開催中。
伊丹さん、とにかくセンスが素敵で
暮らしをとことん楽しんでらしたのですね。
文字や絵もかわいい。
ニヤニヤが止まりませんでした。
続いて、
香川県立東山魁夷せとうち美術館。
設計は、谷口吉生氏。
長野県立美術館の東山魁夷館も谷口氏です。
常々思いますが、
谷口さんの美術館は線が美しく、
周辺の環境を整然と美しく切り取って
魅せられます。
あくまで建物は主役ではないのだと感じます。
そしてここは
日本画家の東山魁夷の美術館。
東山魁夷氏の風景画の色が好きです。
緑も青も幾通りもの色があり、
その深さに心打たれます。
自然の色は深く表情が豊かであると
平面の絵からでも伝わってきます。
こちらもこんな素敵な特別展が開催中。
なかなかお目にかかることの
できない北欧の風景画やイラストに
これもまた心打たれました。
そして、高知県立牧野植物園。
言わずと知れた植物博士の牧野富太郎氏を
顕彰するためつくられたそうです。
『3,000を超える植物が四季を彩り、
自然の中で植物に出会う喜びを
感じることができる』と書かれています。
本当にたくさんの植物がにぎやかにいて、
丁寧にみんな名札をつけてもらっています。
1つ1つにコメントも添えられて、
ここでお世話をする方々の愛情を
ものすごく感じられました。
こちらの設計は内藤廣氏。
あの素敵な安曇野のちひろ美術館や、
とらやの設計もされた方ですね。
少し前に内藤廣さんの本を薦められ、
そこに牧野植物園に対する記述がありました。
導かれるようにしていってきました。
この植物園は高知市街から
ほど近い五台山という山にあります。
空海がつくったといわれる竹林寺も
この五台山にあります。
当初、県では4階建ての鉄筋コンクリート
の建物を建てる考えだったそうですが、
高知市民にとっての慣れ親しんだ
原点のようなこの山に
邪魔にならないよう低層にし、
溶け込むように考えられたそうです。
あくまでも主役は植物。
背景は山であり、
建物はそこに添えられているだけ
という印象。
その主張しない控えめな姿は
まさに自然に調和する姿でした。
その土地を、
さらにその土地を大切にする方々も
大切にしているのだと感じました。
行きたいところを詰め込み
過ぎてしまいましたが、
本当に勉強になる旅でした。
四国という土地の地形や風土も
またおもしろいですね。
瀬戸内海には小さな島々がたくさんあり、
陸地でも先ほどの五台山のような
小さな山がぽこぽこと点在しています。
島や山の上には呼応するように雲ができ、
空と雲と山や島と平地が
まるくかわいらしくつながっていて、
その色も深くて美しい。
彩り豊かな山や海の美しい色が
身近にあるから、
人々が暮らす町の色合いも
美しく感じるような印象でした。
最後に
日本のウユニ湖といわれる
夕日の美しい父母ガ浜。
映えるそうです。
水平線に陽が沈むなんて、
相模湾では見られません、、、。
下の写真はその傍らに佇む
建築家堀部安嗣さんが設計された
一棟貸しのお宿。
このシルエット、この色合い、
いい住まいってこういうことだよなっ
て思わされます。
その建築家堀部さんの本に
書かれていました。
『建築には2つの役割があって、
1つは、人の生活や財産を守るための建築。
もう1つは、記憶を継承するための建築。』
と。
簡潔でグッとくる言葉です。
その記憶の中に自然の色は豊かであると
感じてもらえるような住まいを
つくれたらいいなと思っています。
弊社モデルハウス「森の里のいえ」の
玄関先のツリバナ。
そのほかお庭の植物も少しずつ
色が変化してきていると思います。
そんなお庭も楽しみに
ぜひいらしてください。
(※注意:予約制ですが。)
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