友坂 俊行 2023.10.30
横浜で完成を迎えた全面改装のマンション。
造作家具の奥に緑が映える仕上りです。
スッキリとしたデザインの裏には
隠された技術的なこだわりがありました。
和室とリビングを一体化する計画の中で
既存の天井は大きく張り出した下がりの形状。
その存在感は新しい生活でも重く
負担となることが想像されます。
「何とか小さくできないものか…」
お客様の言葉が刺さります。
下がり天井の中身は、
梁とキッチンの換気ダクト。
ダクト経路を変え、存在感を少なくする
検証が始まりました。
工事前の調査内容を常に共有した上で
相談を重ねていく。
お施主様も建築関係であることから、
技術的なご理解も早く、助かりました。
キッチンに立ったとき、
ソファにもたれたとき、
マンション特有の天井形状は
あらゆる視点で
慎重な計画にならざるを得ません。
下がり天井を最小限にする
→換気経路が絞られる
→コンロの位置が定まる
→キッチンの使い方を決める
→生活空間を導く
普段とは異なる設計順序にもなりました。
水廻りの換気も重なることから、
関係業者と協議をしながら
技術的な根拠をつけていく。
妥協しない姿勢を貫いたお陰で
最小限のサイズへ仕上がりました。
設計から投じる難題も
前向きにチャレンジしてくれる
現場監督や業者さん達。
好き勝手に言ってしまいますが、
受け取れてくれる方が
控えているからこそ
私たちも思いっきり挑めるのです。
完成に満足した後…
栗を食べに信州へ。
少し紅葉には早かったですが、
古きを大事に残された
印象深い街並みでひと息。
友坂
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