安藤 るみ子 2025.11.10
こんにちは。

秋も深まりつつあるこの季節、
はじめての韓国旅へ行ってきました。
韓国と言えば、
食、美容、健康、韓流ドラマ?スター?
色々目的があると思いますが、、、
私はやっぱり『食』。
この夏、友人に誘われ
新大久保デビューをしまして、
そこでいただいた韓国家庭料理店の
キンパ(韓国風海苔巻き)に
感動したのがきっかけです。
子育ても落ち着き、
パンデミックも落ち着いた今、
今年こそリフレッシュ休暇で
どこか海外へ行きたいなあ、、、
と思っていたので、
食も魅力的なお隣韓国ソウルへ
飛んでみることにしました。
とりあえず初日は韓国旅気分を
ということで、
明洞餃子とよもぎ蒸し(笑)初体験。
こういう感じなのね、、、と
苦笑いをしつつも
身体がほぐされ1日目が終了しました。


実は今回の韓旅計画を進めている途中で、
敬愛する日本の住宅建築家、
中村好文さんが韓国で展示会を
開催するとの情報が!
なんという幸運。




その展示会場はソウルの北部、
北村韓屋(プクチョンハノン)村。
はじめての土地。
まったく予習もせず行ってしまったので、
見つけるのに少し苦労しましたが、
坂を上って上って、静かな路地の奥に
素敵な韓屋(はんや)と呼ばれる
町屋のような建物があり、
そちらでひっそりと開催されていました。
中村さんと言えば、
暮らしに寄り添う愛らしい
デザインの住宅建築家であり、
家具作家でもあります。
そんな日本の住宅建築家がお隣の国の
韓屋という住居でお披露目される
おなじみの家具や住宅の道具たち。
全く違和感ないどころか、
なぜか、その質感自体、
日本の建物で見る以上に味わい深く
感じられる展示会でした。
室内の写真がNGでしたので
その愛らしさを伝えられないことが
残念です。
ただこの会場となった韓屋を
改修された建築家の方の展示会も
近くで開催されているとのこと。
歩いて20分くらいだというので、
街を散策しながら次はそちらへ
行ってみることにしました。




(展示会場の様子)
それにしてもソウルの街は坂が多い、、、
そしてこの街で驚いたのは、
あちらこちらで建築工事が
ラッシュだということ。
改修工事も建て替え工事も、
本当にあちこちで。
この展示会を開催している
韓国の設計事務所、
『guga都市計画』の言葉です。
『美しい街並みが消え、
記憶の場所が忘れ去られ、
心を寄せる場所が次第に減っていく。
単なる調査や記録にとどめず、
まちを蘇らせ、記憶の空間を呼び覚まし、
心の居場所をつくる、
新しい暮らしの形を探し続けている』
かっこいい、、、。
かっこよくて、素晴らしすぎた展示。
そんな思いで調査記録した
古い韓国の街並みの展示や、
韓屋の建築、大規模な建築と
とても見応えがあり勉強になりました。




(ツボります。この街の模型たち。)

ちなみに中村好文さんの展示会場の
韓屋の模型がありました。
たくさん歩いて、疲れてきたので、
ここいらでお茶を。







韓屋の居心地の良さを体感できる
素敵なお店でした。
格子戸越しに半屋外の縁側(マル)、
そしてその奥に庭があり、
その向こうにお隣の瓦屋根が見える。
室内の素材や格子の造作の美しさ。
暮らしの場所と感じながらも、
すべてが体にフィットする
素材や造作、造景。
憧れの李朝テーブル。


(古い町から新しい街へ)



(愛らしい塀たち)

(丸みのある曲がり角。かわいい。)
この北村韓屋村。
なんとも素敵な街でした。
朝鮮王宮の古宮に挟まれた位置にあり、
朝鮮時代の貴族たちが暮らしていたエリア。
格式高いと呼ばれる古き良き建物が
多く残る歴史ある街で、
とても見ごたえがありました。
そこに今も多く残る韓屋(はんや)。
韓屋とは韓国の伝統的な住居です。
韓国の伝統的な文化や考え方が
建物にあらわれていて、
気候や風土を活かした工夫が
随所にされています。
上から見るとロの字や
コの字になって中庭があり、
マルと言われる半屋外の
縁側があるのが特徴的。
そして、木や土、韓紙など
自然素材だけでできているそう。
だからですかね、本当にしっくり
落ち着いてしまいます。

実はお茶をしたところで、
素敵な韓屋の本を見かけました。
日本では売っていなそうでしたので、
ソウルで一番大きな教保文庫という
本屋さんに駆け込み、
入手することができました。
もちろん、ハングルは読めません、、、。
でもこの時代は便利ですね。
スマホをかざすだけで
瞬時に翻訳してくれます。
キムテジュンという方の本でした。
とても興味深く私たちの家づくりにも
通ずることが書かれていました。
そもそも『韓』という文字には
1つのとか、全体のとか、頂点とか
英語でいうuniteに近いのでしょうか?
そんな意味があるそうです。
1つ屋根のもと暮らす建築であり、
宇宙ともつながる。
はじまりであり、すべてでもある。
と。
外部空間で過ごす時間の欠乏が
体と心にいい影響を与えていない。
そこで韓屋の特徴的な様式である
縁側(まる)のような半屋外が
あることによって、季節や天候、
朝や夕方などの時間の感覚、
そして体と心が天や地と
つながっていることを自然に
感じさせてくれる、それが
韓屋の普遍的な価値であると。
この韓屋という建築、
本当に興味深いものでした。
おおらかで懐が深いというか。
日本の文化や建築様式ももとは
大陸から伝わってきたものですし、
根源的にはつながっているのですから、
どこか懐かしいと思わせるのかも
しれません。
実は旅の後押しになったのは
もう1つありました。
『太陽』という雑誌で建築家の
堀部安嗣さんが寄稿していた記事に
韓国の伝統建築の旅がありました。
『線が太く、神経質でなく、寛容で、
朴訥として、あたたかく、優美である』
と表現されていました。
木は木でねじれたら
ねじれたまま使うなど、
確かに。
食から始まった韓国旅でしたが、
思いがけず、住(暮らしや建築文化)を
見て少しだけ知ることができました。
さて、日本へ戻り私の普段の暮らしへ。

いつのまにか玄関先で咲いていた
ヒオウギの実がなり種があらわれていました。
季節は巡っているのですね。
安藤るみ子
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