安藤 るみ子 2026.01.19
2026年、うま年ですね。
うまくいきますように。とか、
うまいものをいっぱい食べられますように
(勝手に考えました)。とか、
色々あると思いますが、
とにかく、うま年。
ことしも恒例の藁干支づくり、
馬、作ってきました!

どうでしょうか?
馬に見えますか?

晩秋から冬の終わり頃まで
あちらこちらで見かける山茶花(サザンカ)。
見かけるたびに、
『♪さざんか さざんか 咲いたみち
たきびだ たきびだ おちばたき、、、』
という懐かしい童謡が頭の中を
ぐるぐるします。
これに続く歌詞は
『♪あたろうか あたろうよ
しもやけお手々が もうかゆい』
実はこれは2番で、1番の歌詞は
『♪かきねの かきねの まがりかど
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうかあたろうよ
きたかぜ ぴいぷう ふいている』
山火事も頻発していますし、
こんな光景はこのご時世
なかなか日常ではなくなりましたが、
なんだか季節感とか子供の無邪気さとか、
寒さを表現しつつも、
心が温まるような情景を
思い起こさせるような歌ですよね。
こじつけですが、、、
住まいもそんな風で
あってほしいと感じています。
前回のブログでご紹介した韓旅。
そこで出会った韓屋(はのく)という
韓国の古民家、
そして暮らしの情景を大切に
住宅設計をされている方の
韓屋について書かれた本にあった
言葉がずっしり
心に響いたままでいます。
『外部空間で過ごす時間の欠乏が
体と心にいい影響を与えていない。
そこで韓屋の特徴的な様式である
縁側(まる)のような半屋外が
あることによって、季節や天候、
朝や夕方などの時間の感覚、
そして体と心が天や地と
つながっていることを自然に
感じさせてくれる、
それが韓屋の普遍的な価値である』と。
日本の古民家建築も、
中と外をほどよくつなげる
縁側や広縁があったり、
保温性を保つための障子があったり、
素晴らしい住文化・手法で
あったと思います。
ただ、年々厳しくなる外部環境から、
住宅内の温熱環境を整えることが
必須となってきている現在、
温暖化対策のためにも
断熱や気密の性能を上げるため、
住宅は閉塞的になりがちで、
それにより、
季節・時間・風のにおい・
自分を取り巻く環境自体を
どんどん感じづらく
なっていくのかもしれません。
冬あたたかくて、
夏涼しい家を実現しながら、
一方では内部と外部の
程よい関係性を保つことも
置き去りにせずに、、、。

庭へ出やすくするために
ウッドデッキを設ける方法は
まず思い浮かぶところです。
敷地にゆとりがあれば、
食事やお茶ができるくらいの
広さがあれば活躍の場も広がります。


少し腰掛けできるくらいの縁台のような
ウッドデッキがあるだけでも
外へ床が続いているように感じられ、
庭へと誘導してくれるような印象になります。
これは視覚的な効果も大きいと思います。


住宅地で近隣とのプライバシーを
保つ必要があれば、
板塀を設けることで
ほどよい距離感を保ちながら、
中から庭への距離はぐっと近くなります。




つくり方次第ではバルコニーも
中と外をつなぐ中間領域として
とても有活躍できる場だと思います。
こちらのお住まいでは
2階リビングでしたので、
外の空気を吸うために
気軽に出入りできるバルコニーは
とても有効的でした。
ベンチのところがダイニング
が来る場所ですが、
キッチンから望むベンチ後ろの
障子を開ければ、
遠く山を望むことができ、
季節の移ろいを感じられます。
そしてベンチの横には
バルコニーがあり、
出入りしやすい環境です。
バルコニー床は杉板でスノコをつくり、
リビングからの視覚的つながり感も
出しています。
屋根がしっかりとかかった
バルコニーですので、
雨の日には雨の音を聞きながら、
お天気のいい日には
鳥の声を聴きながら、
バルコニーで本を読んだり
お茶をしたり楽しめるのでは
ないでしょうか。
ほどよく閉じ、ほどよく開く。
開口部は一番気を使って
計画をしています。
内部と外部が程よい距離感になるか
どうかは開口部次第です。
出入りするところも大事ですが、
目線だけでも通るちょっとした
小窓であっても
その存在はとても重要です。
先の景色で時間の経過、
季節の変化を感じられる窓、
光の当たり方で季節や時間帯が
感じられる壁、
光の距離で季節が分かる床、
ほんの少しずつのことを
住まいの中に散りばめていくことで、
きっとそんな暮らしの情景が
できていってくれるといいなと思います。
その情景が『♪たき火』の童謡のように、
そこで過ごしたっ時間を思い出し、
ふわっと心があたたまり、
心のよりどころになって
くれるのではないかと。

先日、ただ今絶賛工事中の新築現場にて。
2階のフリースペースからつながる
西に面するインナーバルコニー。
ちょうど陽が沈みかけている
時間帯に遭遇しまして、
遠く西の空に沈みかけている陽の光が、
仕上がったばかりのそとん壁を
やわらかく、でも力強く
照らしてくれていました。
刻一刻とそとん壁にあたる
その光の表情が変わっていく光景が、
とても豊かで、思わずその一瞬を
写真に撮ってしまいました。
この光景が暮らしの情景と
なっていってくれると嬉しいです。
安藤
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