安藤 るみ子 2015.05.12
晴天続きのGWでしたね。
皆様いかがお過ごしでしたか?
私事ですが、住まいに少し手を入れることになり、
荷物の片付けに追われていました。はい、筋肉痛です、、、。
家の3分の1程度のわずかなリフォームなのに、
片付けなければならない荷物は多く、
仕舞い込んだ荷物をひとつづつ解きながら
分別したり移動する大変さを身を持って感じました。
私の場合、生まれ育った家を受け継ぎ手直しするため、
自分のものというより、ここにいた家族の残していった
荷物の仕分けがほとんど。兄妹の懐メロ的なものがあったり、
ああこんな賞をもらっていたのだっけ?
というような過去の栄光が出てきたり、
中にはあまり見られたくない写真や文章が出てきたり。
弱みを握った!とニンマリしながら何とかやり切りました。
そんな中、気分転換にと友人から誘われて
日本橋高島屋で開催されている美術展に行ってきました。
京都にあるあの細見美術館。
その名も『RIMPA/琳派』
琳派とは、江戸時代から断続的に受け継がれてきた
上質で豊かな装飾を施した絵画や工芸品を展開した流派で、
俵屋宗達や尾形光琳などが有名なところです。
尾形光琳は今でいうアートディレクター的な立ち位置で
身の回りの全てに美意識を持ち、江戸のルネサンスと評されたそうです。
なんともまあ高尚な美術展。
そういえば、幼い頃私の祖母がよく連れて行ってくれた美術館には
尾形光琳の『紅白梅図』があり、
幼心にもその煌びやかな絵は記憶に焼き付いていました。
とはいえ、知識の少ない私には友人と一点一点眺めながらも
絵画としての価値には『へええ~』だの『ほおお~』だの。
ですが、その美しい色使いや描かれている日本古来の四季の草花には、
見惚れていました。
どの時代にも『四季草花絵図』いうものが描かれており、
梅や蒲公英、桔梗、芒、女郎花、藪柑子、野茨、山帰来、、、などなど、
今も身近にある草花ばかり。
こういった展覧会は販売も上手です。
出口付近の即売所ではグッズ以外にたくさんの書籍があり、
高揚感のまま3冊も大人買いしてしまいました。
『四季草花絵図』で描かれていたという上の草花の漢字、
全部読めましたか?正解は、、、
蒲公英→タンポポ、桔梗→キキョウ、芒→ススキ、女郎花→オミナエシ、
藪柑子→ヤブコウジ、野茨→ノイバラ 山帰来→サンキライ
カタカナで表記することが多い植物たち。
ですが、漢字にしてみると何とも奥が深くなります。
その花となり(?)を想像し、名前の由来を探ってみたくなります。
『きへん』の本は、木を扱う私たちの家作り、
少しでもその木について木となり(?)や由来を
もっと深く知りたいと思い購入したものです。
『いろ』の本。植物や自然のものに由来する色名は多く、
私たちが身の廻りにあり心安らぐ色はもしかしたら、
そういう色なのかもしれません。
山吹色、藤色、藍色、浅葱色、蘇芳色、、、
日本の自然は色に満ち溢れ、遠い昔から四季折々に
表情を変える草木の美しさに憧れ大切に考えてきました。
上手にこうした色を住まいに取り入れ、
潜在的に安らぐ空間作りに役立てられればなと思っています。
さて再び、、、、片付けを。
最後に祖母が遺した荷物にも手を付けると、、、
『紅白梅図』が印刷された小さな屏風が出てきました。
安物ですが、きっと祖母も私と同様、
美術館の売店でついつい買ってしまったのでしょう。
途方に暮れくじけそうなこのタイミングで、嬉しい偶然の出会い。
私にとってのご褒美でした。
おばあちゃん、ありがとう!
そしてこの場を借りて、私たちの工事がスムーズに進められるよう、
体にムチ打って大片付けをしてくださっているお客様にも感謝です!
安藤
CATEGORY
ARCHIVE