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スタッフブログ

日々の暮らし 2016.03.22

灯りについて

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春分も迎え、春本番ですね。
春らしい名前に惹かれて植えた自宅のユスラウメ(山桜桃)も、
気がつけば蕾もふっくらと、あっという間に開花しました。
この時期は、毎朝少しずつ変化していく庭木の姿が楽しみです。

庭木を楽しむのはお日様が出ている日中ですが、
今日は陽が沈んでしまってから大事になる
「灯り」の計画について書かさせていただきたいと思います。

「照明」ではなく、あえて「灯り」です。

※灯=寛ぎを与え、空間を演出してくれるもの
照明=作業の為に必要なものという位置づけにしたいと思います。

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冬の寒い帰り道、そこかしこの家々で
灯る赤い灯(居酒屋の赤提灯ではありません…)。
家族の団欒を連想させ、温かな気持ちになるものですよね。
心理的には家路を急ぎ、早く温かなご馳走に
ありつきたいと思うのかもしれません。

昭和の香りプンプンですが、住まいの基本の灯は、
心温まるちゃぶ台上の裸電球の灯だと思っています。
私の灯の考えはそこが原点に思います。
電球の灯は人の体温を感じ、心臓に近い位置にあればあるほど、
落ち着きや寛ぎを感じるものと以前セミナーで伺ったことがあります。
それは言葉として感覚としてスッと腑に落ち、
私たちが住まいに求める「優しい暮らし」に大事な
エレメントになると思い皆様にご提案させていただいています。

そもそも灯の感じ方は人それぞれ違いがあり、計画も難しいです。

ですが、人には本来自然のリズムに沿った体内時計があり、
住まいにおいてもその時計を尊重していた方が
身体や心に寄り添う住まいになるように思います。

灯が必要になるのは夜ですから、コウコウと明るくする必要はなく、
必要なところに必要最小限の灯で空間に
邪魔にならないよう計画するよう心がけています。

 

ダイニングテーブル上のペンダントライトの灯を中心に、
それから、部屋の隅を灯す程度の低めのブラケットライトや
場合によってはスタンドライトの灯でも。
読書や料理、その他家事など作業を行うための照明は
ある程度定位置がありますから、
そこは作業にストレスがかからない程度の照明器具を。

そして器具の種類や取り付ける高さも重要です。
作業に必要になる照明は、手暗がりや背中で暗がりやを
作ってしまわないようにということが鉄則です。

灯は、人や空間に寄り添うデザインや位置や
高さだからこそ意味があります。
デザインは極力シンプルで器具が主張しすぎて
肝心の灯や空間を邪魔してしまわないもの。
位置は空間の演出。
高さはその空間で人がどう過ごすかで考えます。

ダイニングテーブルの上のペンダントライトは、
食卓のご馳走が美味しく感じるためですから、
テーブル上600mmから800mmが適切とされています。

その他ブラケットライトは床族の座の生活なのか、椅子族の生活なのか。

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天井高が低く、椅子を置くことが決まっていたため、
あえて低めの床上1500mm。
座った時の灯が近く、心休まる空間です。

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玄関にはあえてフットライトにもなるような低め900mmで設定しました。
低めに設定することで、控えめで夜は常夜灯にもなります。

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先日完成したF様のキッチンから見た光景です。
(蓮実ブログでもご紹介)
天井は最小限のダウンライトでなるべく照明の数を減らし、
珪藻土をやわらかくみせる壁のブラケットライトを。
なるべく空間の隅を照らすように計画をしています。
人は先が暗いと不安になる。これも以前セミナーで伺った話です。
ですので、なるべく空間の入り口と対角になる場所に
灯を設けるよう計画しています。
その際、写真のようなコーナーのブラケットライトを使います。
ここはTVを置く位置でもあるため、
画面で目が疲れてしまわないようにも配慮しました。
そして、コーナーのブラケットライトの灯は、
空間の角のラインもやわらかな輪郭にかえてくれますので、
色々な意味でとても有効的な照明です。

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引き戸の引き込み壁もニッチにして、お子様の描いた絵など
飾っていただきたいと考えましたので、その絵を照らすための
ダウンライトを壁に寄せて取り付けました。
ちょっとしたギャラリー気分です。

*/*/*/Fさま、ありがとうございます。*/*/*/

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今度の季刊誌で取材させていただいたY様宅。
玄関扉を開けるとFixの泡入りガラスの向こうに
ペンダントライトの灯を計画しました。
ガラスの向こうにある暮らしや温もりを一瞬にして感じ、
家路に着いたという安堵感を日々大切にしてほしい
とご提案させていただきました。

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ガラスの向こうはこんな感じで、
この玄関を開けた時のホッと感だけのために
採用していただきました。
素敵なディスプレイも手伝って
住まわれてから尚素敵なコーナーになりました。

/*/*/*/Yさま、ありがとうございます。/*/*/*/

灯や照明の計画は、それ次第で空間の見え方感じ方を
左右してしまう大きな要素で、計画次第でせっかく
つくった空間を台無しにしてしまいかねません。

いずれにしても、灯りは『優しい暮らし』には
大切な計画だと思っています。

 

住宅建築の巨匠、吉村順三先生が、
建築家になって良かったと思うのは、
「家族の集まる夕飯の灯が外に漏れている」という光景に
出会ったときだという記事を読んだことがあります。

今ではシャッターや遮光のカーテンが増え、
家の灯が外に漏れるということが少ないかもしれません。
夜道を家路に向かう街の人にとっても、
または仕事や学業を終え家路につき、ふと自宅の灯が
見えたときの家族や自分自身にとっても、
家の灯は温かな気持ちと安堵感をもたらしてくれます。
街行く人、住まう人にとって、優しい灯をご提案していきたいと思います。

さて、
友人から素敵な掛け花用の一輪挿しをいただきました。
柱に掛け、庭に咲いたユキヤナギを。

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安藤

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