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スタッフブログ

平野 聡史 2017.04.10

背割れ

こんにちは、設計の平野です。
桜の季節になりました。
私の家の近所では、「渋田川桜まつり」が
毎年開催されていますが、今年はあいにくの雨模様。

仕事の日でしたので、通りがかりに車中から
準備している様子を眺めただけでしたが、
川の両側斜面に並んだ桜がきれいでしたね~
立ち寄りたかったのですが時間がなかったため、
写真も撮れずスミマセン・・・

気温が上がり、植物たちも動き出します。
自分で玄関前に植えたアオダモは、
昨年は紅葉する前に葉が茶色になり、
全て落ちてしまいましたので心配していたのですが、
ここのところ冬芽が大きくなっていましたので
復活を期待していました。

そして今朝見たら、ちゃんと新芽が出ている!

hrnアオダモ新芽

よかった~
ここから日に日に変化していきますので、
それを観察するのがささやかな楽しみです。

2017.4.10hrnアプローチ

さて先月のことですが、
木工事中の現場監理及び解体後の設計変更点等を
お施主様にご説明するため、
大規模の改装工事中の物件に伺いました。

2017.4.10hrn大工&井出

打合せ中の現場監督・井出君(写真右)と大工さんをパシャリ。

解体工事が進むと、事前調査では見えなかった部分が見えてきます。
若干の計画変更(寸法調整等)の必要がある箇所があり、
現場監督と一緒にその内容を一通り確認しました。

その後、お施主様が見えるのを待ちながら
現場全体を眺めていた中、見つけたのがこちら。

2017.4.10hrn断面

元々階段の手すり壁だった部分に立っていた束の断面ですが、
見事な変形っぷり。

釘穴のせいでしょうか、なんだか可愛らしささえ感じます。
年輪の中心がありますので、「芯持ち材」という材ですね。

柱にわざと切れ込みを入れる「背割れ」が入っており、
そこから広がって変形している状態です。
木材が乾燥により動いたものと思います。

改装工事では、このような既存構造の歪みや
変形等は大なり小なり有ります。

大きく強度や安全性に問題が懸念されるものではありませんが、
こういう部分に、そのまま石こうボードを張ろうとすると、
ボードが割れてしまったり、明らかに凹凸がついてしまったり、
仕上がりに影響が出てしまいます。

胴縁やパッキン等でなるべく平らになるように調整する等、
リフォームならではの手間がかかる部分です。

ですが、大工さんたちがそのような地味で見えない部分にも
向き合い、出来る対応をしてくれているので、
仕上がった後に気にならない。

気にならない部分こそ、実は手がかかっていたりするのです。

2017.4.10hrn大工さん

私が入社した頃と同時期から、
弊社の仕事を手掛けてくれている大工の小清水さん。
信頼できる職人さんです。(写真上)

上の写真から一か月後

hrn1か月後

子供部屋からロフトスペースに上がる部分が出来てきました。
この写真だけでは伝わらないと思いますが、
元々のスキップフロアの構成を活かして間取りを再構築する物件。
仕上がりが楽しみな現場です。

ところで、この「背割れ」については、
完成物件見学会の場などで、
なんですかこの切れ込み??
とよく聞かれます。

答えは、
「柱の表面が割れないようにするため」です。

割れる前に、割る!

木材は乾燥している方が強度が出るため、
人工乾燥器に入れて乾燥させ、
含水率を20パーセント以下にさせて構造材として使います。
(自然乾燥にこだわる会社もあります。)

木は乾燥させると縮みますので、
その乾燥の過程で柱の表面があちこち
ひび割れないようにするため、
動きを吸収させる場所として
あらかじめ大きく「割っておいた」のが
「背割れ」です。

現在は、昔に比べて柱を露出させる
「真壁」納まり(主に和室)が減り、
柱がボードの中に隠れる「大壁」納まりが多いことと、
乾燥技術の発達などにより、背割れがない柱もあります。

私共が使っている柱は、かながわ県産材の桧(芯持ち材)で、
一般部分には 主に背割れのない柱を使っています。

一部、 柱をそのまま見せる「化粧柱」で
節が少ないグレード(無節や上小節)は、
基本的に背割れが入った材になります。

表面をきれいに見せる必要があるからです。

この背割れが、なるべく目立たない柱の向きを考える。
というのも設計側の仕事のひとつです。

2017.4.10hrn化粧柱1

2017.4.10hrn化粧柱2

背割れはここでした
hrn背割れ

それではまた。

平野

 

 

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