友坂 俊行 2017.08.21
皆様こんにちは。
8月に入ってから雨が降り続け…
気分もジメジメとなりがちなこの頃。
涼しくて過ごしやすいとも言えますが、
洗濯物に苦労なされている方も多いでしょう。
でもせっかくの夏休み。
屋内でも子供達と楽しめる工夫をしたいものですね。
さて今回は段差のある暮らしの紹介です。
高齢化社会にとってバリアフリーの観点から
屋内の段差を無くすことが多く求められています。
リフォームにおいても解消したい項目です。
私の実家(築30年)を振り返ってみても…
ドア下にある敷居は1cm程度、
フローリングと畳の境は4cm程度の段差があります。
居間の平面的な空間であってもカーペットを敷くと1cm生じ、
足が引っ掛かります。
住み慣れたとしても意識がそこにいかない場面があり、
チョットしたつまずきで思わぬ怪我が生じる。
避けたいですよね。
また作り手側にとっても
バリアフリーの名のもと全て単面的な作りとすれば
設計的に考える事が少なく、施工も簡素化となり、
コストも有利に働く。
提供側の勧めやすい思惑も潜んでいるでしょう。
しかし同じ段差でも玄関など20cm程のしっかりある所は
常に意識が向かい、自然と立ち止まる傾向にあります。
そうバリアフリーの目的は1cm~10cm程度の
意識がいかない段差を無くすのがポイントと
言えそうです。
「段差のある暮らし」はそのバリアフリー性を保ちながら
意識が伴う20cm以上の段差を作る事で空間的に
遊び心を促す提案です。
いくつかご紹介していきましょう。
畳コーナーの床上げはよくご紹介する作り。
段差を利用した引出しは座布団などの収納に便利です。
逆に20cm下げた畳コーナーも。
入口にちょこんと座り、何気なく読書をしてしまう。
一段下げたキッチンの入口。
立ち仕事と椅子に座る目線を近づける仕掛けですが…
ふとした時、子供との話し合いの場となりえます。
幅狭さも親子の距離を縮める要素。
洗面に隣接されたストリップ階段。
TVを見ながらの歯磨きは行儀悪いのかもしれませんが…
万人に受け入れられる要素ではありません。
しかし段差を利用することで、立体的に居場所が増え
生活に彩りが加わることでしょう。
住まい手の背景を考え、無理のない設計となれば
是非検討して頂きたい魅力的な暮らし方です。
友坂
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