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スタッフブログ

大坂 崇徳 2018.08.20

さいたま市鉄道博物館 先進の技術と優しいディテール

お盆を過ぎて、少しだけ過ごしやすい陽気に
なった気がしますが、それでも酷暑の今夏!
皆さんは夏バテなどしていませんか?
今週は、7月に、なぜか時季外れの
インフルエンザに感染してしまった
大坂が書かせていただきます。

この1週間では、基礎配筋検査が2件、
木造軸組み検査が3件ありました。

また、先日には私共も1週間の夏休みを頂きました。

その間は、全て近場の日帰りでしたが、
子供たちのリクエストに応えて
普段連れていけないところへ繰り出す毎日でした。

しかし、様々な施設やレジャーに出かけても、
私はなぜか展示やアトラクションなどより
建物の方に目がいってしまいがちで、
これもある意味職業病なのかなぁと苦笑していました。

今回はその中のひとつ、さいたま市にある鉄道博物館で
見つけたことをご紹介したいと思います。

この鉄道博物館は、今年の7月に新館が完成して、
リニューアルオープンしたばかりでした。

メイン展示スペースは、繊細なトラスの架構が
広大な空間を造り出していました。

2018.8.20naibu1

2018.8.20naibu2

私共が普段携わる住宅などとは
スケール感が全く違うのですが、
その大空間に圧倒されるとともに、
その精度と技術力の高さは
目を見張るものがあります。

きっと詳細な構造計算や様々な負荷に対する
シミレーションの末に出来上がったであろう架構には、
研ぎ澄まされた構造体の美しさを感じました。

一方で、不特定多数の人々が集まる施設独特の
配慮がされた優しいディテールも各所に見られます。

例えば大きな吹抜けに面する手摺のデザインです。

2018.8.20tesuri

ステンレスのパイプの骨組みに
強化ガラスがはめ込まれた手摺で、
上部が斜めにオーバーハングした
デザインとなっています。

このデザインには、下にモノが落ちないように、
そして下階の展示を見るのに妨げにならないように、
という配慮を感じます。

そして、下階の展示に夢中になって
身体を手摺より乗り出しても落下しないように、
ということまで考えられているように思えます。

模型の展示ケースのカウンターはとても厚く、
大きな面が取られています。

2018.8.20counter

多くの人が直接手で触れる部位なので、
決して鋭利にはせず、素材も無垢の木が
使われていました。

このあたりは、私共が普段から
実践していることと同じだなぁと思い、
少しうれしくなりました。

しかし、私にはカウンターの高さがかなり低い印象です。

飲食をするためのカウンターではないので、
低いのかなと考えていると、違いました。

夢中になって展示を見ている息子を見て、納得。

2018.8.20mutyuu

すごくしっくりとしています。
実は、小学校低学年の子供たちには
ちょうど良い高さなのでした。

常に、それを使う人、そこで過ごす人を想像して
建築をデザインする、という基本的なことが
ちゃんとされているのに気付かされました。

最後にメインアプローチについてもご紹介を。

2018.8.20approach

ヨーロッパの駅舎のような雰囲気で、鉄骨のトラス柱に
支えられた割と低めに抑えられた屋根の中央から
日差しがこぼれ落ちる、とても気持ちの良い空間でした。

全ての来場者がここを通るわけですが、
いやでも鉄道に対して気持ちが高まっていくに
違いありません。

よく見ると、足元のタイルが部分的に
異なるのがわかると思います。

2018.8.20approaciyuka

実はこれ、文字や数字が書かれた
特別なタイルが貼られていて、
全体として時刻表になっているのでした。

2018.8.20yukatile

ちょっとした遊び心なのかもしれませんが、
気づいたときには「やられたっ」て感じで
微笑んでしまいました。

建築の基盤である安全で堅牢な構造と優しいディテール、
そして遊び心と、展示だけでなく建築物としても
とても見ごたえのある鉄道博物館でした。

大坂

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