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平野 聡史 2019.07.01

葉山町 山口蓬春記念館を見て

こんにちは、設計の平野です。

7月に入りました。梅雨らしくジメジメとした日が続きますね。

それにしても当たらない…休みの日に波がない。・

・・完全に私的な愚痴ですみません。

そもそも、梅雨時期というのは波がある日が少ない。

それは南の海上で停滞する梅雨前線により

波が立つのを抑えられてしまっているから。

前線の位置により状況は変わりますが、

波が上がっても南風がビュービューに吹き、

サーフィンに適したコンディションではないことが多いという、

なんだか悶々とした時期なのです。

そんなこんなで、No surfな休日が続いておりますが、

自然相手に文句を言っても何も変えることはできないので、

自身の行動を変えるしかありません。

先日は、いつもサーフィンをする平塚~茅ヶ崎~藤沢~鎌倉を

スルーして、さらに海岸線を進み、葉山町まで散歩しに行くことにしました。

目的は、以前から行きたかった「山口蓬春記念館」を見ることでした。

山口蓬春は日本画家。

私が生まれるより前の1971年に亡くなられている方です。

正直に言うと絵画の作品にそれほど大きな興味が

あったわけではありませんが、「建物として見る価値あるよ!」と

中込さんから教えてもらっていたからです。

 

この記念館は、山口蓬春が戦後から亡くなるまで過ごした邸宅を、

建築家の大江 匡氏の設計により改築された場所。

 

もともとの建物は、昭和初期に建てられていたと思われる住宅を

山口蓬春が手に入れ、1953年と1957年に建築家の

吉田五十八により増改築が行われたもののようです。

吉田五十八は近代数寄屋建築の第一人者として知られている方。

吉田五十八と山口蓬春は、東京美術大学の同窓で、蓬春が戦前に

住んでいた自邸も吉田五十八による設計だったそうです。

 

案内板

 

エントランス

 

アプローチ

 

画室外観

 

吉田五十八により設計された画室。

庭園の樹木や奥の山の風景に溶け込んでいる姿が美しい。

 

画室から庭園を見る

 

画室から庭園を見たところ。

大開口に切り抜かれた緑が眼前に広がります。

開口の上部には屋根垂木が表しになった軒裏が見えています。

この軒とお庭の落葉樹によって夏場の直射は遮られ、

冬場はあたたかな日差しが差し込んできそうです。

 

この対面にはソファがあり、その後ろにも庭があります。

 

 

他に人がいなかったので、このソファに腰かけて、

テーブルにポンと置いてあった本「建築家 吉田五十八」

をしばし読みふけっていました。

北側からの優しい光を背中に感じ、

目の前の雄大な景色を感じながらの読書は、

とれも居心地の良い時間でした。

 

桔梗の間の案内

 

桔梗の間

 

こちらも吉田五十八が設計。

きれいな雪見障子からは茶庭が見えます。

 

茶の間の案内

 

茶の間

 

こちらも吉田五十八が設計。

欄間の敷居には吊束がなく、長いスパンをとばしています。

鉄の棒で補強がされているらしいのですが、

室内には入れないので、

どうなっているのかはわかりませんでした・・・

この欄間の上部の鴨居は天井に埋め込まれ、

直行方向に走る溝とあいまって、

大変スッキリと納まっていて美しく感じました。

 

2階廊下

 

 

2階旧画室

 

2階からの眺め

 

2階からは海が見えます。

増築前に画室として使われていたようです。

 

帰りは庭園やアプローチの緑を眺めながら帰りました。

 

 

 

 

海外の画の手法を取り入れながら、

新しい日本画を創造した山口蓬春と、

海外の古典建築に触れているうちに、

伝統や民族性というものの大切さを感じ

日本伝統の数寄屋建築を近代化した

建築を設計した吉田五十八。

 

このふたりの魂の共通点のようなものを、

この記念館を見て、調べているうちに

感じられた気がしました。

 

それでは、また次回。

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