平野 聡史 2019.09.16
こんにちは設計の平野です。
今回は屋根材について。
私たちは、屋根仕上げ材にはガルバリウム鋼板を使った
屋根材を標準的に採用しています。
メリットは鋼板そのものの耐久性が高いことに併せ、
加工性が良く、劣化しやすいシーリングに頼らずに
板金の加工による接合が可能なため、
結果的にメンテナンスを必要とするまでの耐用年数が非常に長いこと。
また、軽いため建物の耐震性に有利であることなどが挙げられます。
ひとくちにガルバリウム鋼板といっても、
屋根葺き材には色々な種類があり、
「縦葺き」と「横葺き」を使い分けています。
で、なにが違ってどう使い分けてるのか?
をお打合せ中にご質問を受けることが良くありましたので、
この場を借りて簡単にですがご説明します。
一番の理由は、
「対応できる屋根勾配が違う」です!
3/10以上の勾配が確保できる場合は、横葺き材が使用可能です。
「ダンネツトップ8‐1」という屋根材を採用することが多いです。
ガルバリウム鋼板の裏に、ポリエチレンフォーム断熱材の裏貼りがあるため、
断熱性と雨音の低減に貢献してくれる屋根材です。
次に縦葺き。
勾配は大変緩い0.5/10から対応できます。
縦葺きには、「立平ロック」という屋根材を標準的に採用しています。
一見、昔の「トタン瓦棒葺き」に似ていますが、瓦棒は無く、
あらかじめ成形された屋根材同士の上ハゼと下ハゼ(立の突起部分)
を勘合させて繋ぎ合わせるので止水性が高く、
緩い勾配の屋根でも雨をスムーズに受け流すことができます。
縦葺きはどことなく和の雰囲気を感じさせるため、
横葺きが対応可能な屋根勾配はあっても、
あえて立葺きを選択することもあります。
外壁のそとん壁とも相まって、どこか懐かしい佇まいに。
横葺きはスッキリと違和感なく馴染みます。
「ひとつ屋根の下」というように、
安心して暮らせる住まいの象徴とも言える屋根。
今回は屋根の「材」のお話をしましたが、
屋根や庇の寸法や形状、納まりの設計は実は奥が深いのです。
夏の日差しを遮り、雨を防ぐという
あたりまえだがよく検討された的確な形状・寸法。
厚みを抑えて美しく見せる納まり。
親しみやすさを感じさせる高さ。
などなど、
屋根に問われます。設計力を!
屋根を上手に設計できるようになりたいものです。
それではまた。
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