友坂 俊行 2020.10.19
皆さまこんにちは!
今回のブログは友坂が担当させて頂きます。
建物が完成となると、設計の人間は空間構成に
居心地の良さが備わっているのかがとかく気になります。
もちろんお客さまの想いは100%叶えていきたいのですが、
設計者としての経験値をいかに息吹かせているのか…
が仕事の糧だからです。
よくセンスが良いとか悪いとか耳にします。
それは育った環境に大きく影響されるだろうと考えます。
一流に囲まれて過ごすのはもちろん大事なのですが、
幼少期を築年数の経ている団地で過ごした私には、
何が備わっているのか…
5階のベランダから山々を見、
季節の移ろいや天気の変化などを
感じとっていた日々。
暑ければ扇風機にくっつき、
寒ければこたつに肩まで潜っていた
思い出がよみがえります。
特別なものは少なかったように思えるが、
モノを大事にしていた親との暮らしでは、
古いものから漂う温もりの方が
なんだか居心地いいと思えてきます。
子供の頃というのは、とにかく新しいものが
好きだったのですがね…
完成した時の佇まいはまだまだ新米。
空間構成も思い出もこれから長い年月をかけ、
熟成させていくのですから、
設計の良し悪しも
答えはだいぶ先にあるのではないか。
昔の記憶もセピア色へなっていくように、
素材も色深く変化していきます。
そうしたものに囲まれた暮らしは、
何より気持ちが良かったもの。
技術進化が著しい今の時代、月日が必要な
「アナログな古さ」は贅沢なものとなりましたよね。
今はもう使えませんが、
これも骨董品と呼ばれるときもくるのかな?
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