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スタッフブログ

日々の暮らし 2014.12.23

草花とともに育つ家

こんにちは。昨日は12月22日。一年で一番昼が短い冬至でした。
今年は『朔旦冬至(さくたんとうじ)』という19年に一度の特別な
冬至だったらしいです。
朔旦冬至とは、新月と冬至が重なる冬至のことで、月と太陽の
両方が復活する日として非常におめでたいとされているそうです。
日本では冬至に柚湯に入って南瓜を食べる慣習がありますね。
柚子には皮に含まれる成分で血行促進され、ぽかぽか身体が温まる作用。
南瓜は冷蔵庫のなかった時代に常温で保存が効き、ビタミンミネラルが豊富
なため、寒い冬を乗り切るための食材として重宝されていたそうです。
この慣わしには暖房もなかった時代のずーっとずーっと
昔の先人たちの冬を乗り切るための知恵。
自然環境が身近にあり、その厳しさを肌で感じているからこそ
生み出される生きるための知恵なのでしょうね。

前置きが長くなりました、、、

先日、イギリス人のガーデンデザイナー、
ポール・スミザーさんの講演会に行って来ました。
NHKのプロフェッショナルという番組でもその活動ぶりが
取り上げられていました。

簡単に紹介しますと、
イギリスで園芸を学び、そこで出会った日本の草木たちに魅了され来日し、
植物一つ一つの植生を理解し『植物の自然の力を活かした庭』を
地道に作り続ける活動をされて来た方です。
四季折々に草木がその命を躍動させる。
春の芽吹き、夏の新緑、秋の紅葉。
農薬や化学肥料を一切使わず、植物たちがみずからの力で
季節を織り成すその姿は「自然より自然らしい理想の庭」と評されています。

本、買いました。サインもしていただきました!



今回のレクチャーは清里にある保育園が主催したものです。
森の中に佇む小さな保育園です。
私自身、教育者でもないですが、『ちいさないのちを考える』というテーマの
このレクチャーは、住まいづくりにも、自然環境との関わり合いを考えられる
いい勉強になりました。

あちこちの公園や公共施設も手がけているスミザー氏の作る庭には、
鳥が休む場所やカエルが集う場所なども想定して作られています。
虫だって考えようによっては、いなくては生き物たちにとって
食物連鎖的に困るのだから、あえてwelcome。
そうした本来の姿を人の手でつくり維持して行く。

レクチャーの最後に保育園の方のお話で、
『子供の目線は低く、大地に一番近いところにある。
そこに動くもの咲くものに心が動かされる。
だから、ちいさないのちがすぐそこにあることをみて触れて感じてもらいたい。
小さい頃のこういう感覚は大人になってもきっと心に残るはず。』
と。

住まいを作るものとして、こういう優しい気持ちを大切に関わって
行きたいと改めて感じました。

今年の秋にリフォーム工事の最後にお庭の工事もさせて頂いた
おうちのアプローチです。
ちょっとわかりづらいですが、リズミカルに敷いた大谷石の合間に
グラウンドカバーになるイワダレソウやユキノシタ、アジュガなどを植えました。
アジュガは別名でジュウニヒトエ(十二単)ともいい、
4月くらいに可愛らしい青紫色の花が階層になって咲きます。

ポーチ脇には控えめに落葉樹を植えましたが、葉を落とした季節でも
足元の小さな植物達が彩りを添えます。

こちらは駐車場からお庭のウッドデッキをつなぐアプローチです。
元々あった庭石を花壇スペースの土留めに使い、
アオハダやブルーベリーを植えました。
実用で使える実のなる木を植えることで、
お子さんもこの庭の成長を楽しみにしてくださっています。

足元にはこれからアジサイやニワナナカマドを植え、
高木の足元を賑やかにしてくれます。
土留めの石はあえて目地で埋めずに、
そのうちきっと石の間から新たな植物が顔を出します。
そんなこれからの小さな変化もお楽しみになるように。
歩く板石の間にはフッキソウやツワブキなどを。
今は淋しく見えますが、すぐに板石が緑で覆われ
ツヤのある葉がいい感じになります。

道路に面した窓の前には目隠しにもなるように常緑樹を数本、
それからアクセントにドウダンツツジを植えました。
室内から見た時も、建物に近い位置に高い樹木があることで
安心感も生まれ、不思議と道路との遠近感も生まれ、
道路までが遠く感じる効果があります。

写真にはありませんが、キッチンに近い側にはハーブのスペースも設け、
お料理にもすぐに役立てられるようにしました。
ハーブはお子さんとも一緒に植え、私も楽しい時間を過ごせました。

おこがましいですが、、、
私たちが提案するのは、『暮らしをつくる』こと。
建物だけでは住まいは完成しません。
建物と樹木を含めた外構は一体で考えます。
建物だけでは不思議と人の気配は感じず、木々や草花があって
暮らしが営まれている気配を感じるような気がします。
そこに暮らす方々の気配を想像し、
暮らす方々に優しい住まいであってほしいと願います。
ふわりと寄り添うよう木々や草花が、建物を優しくみせてくれますし、
周りに木々があることで建物が程よい大きさに見えてくるから不思議ですね。

家族とおうち、そしてお庭が共に育っていく住まいづくり。
優しい暮らしを作るお手伝いが少しでもできればと思っています。

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