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スタッフブログ

大坂 崇徳 2022.04.25

地盤調査

早いもので4月も最終週になり、

すっかり暖かくなりました。

花粉症もかなり落ち着き、

やっと春を満喫できるかなと

思っていたら、

ここのところ雨続きの天気です。

 

梅雨入り前の、本来なら

外部の工事が最もはかどる

時期なのに。。。

困ったものです。

 

今週は、早くも夏の太陽が

待ち遠しい大坂が

書かせていただきます。

 

さて、皆さんは地盤調査という

言葉はご存じですか?

 

言葉は知っていても、

実際にどんなことをするのかは

知らない人も多いのでは

ないでしょうか。

 

今回は住宅建築における

地盤調査について

ご説明したいと思います。

 

地盤調査とは、簡単に言うと

文字通り地盤(地面)を調べることで、

建物を建てる際に

その土地の強さや特徴を

把握する行為です。

 

この場合の強さとは、

上に建つ建物の重さを支えられるか?

という意味で、一般の方には

地面の硬さをイメージして

いただくと解かりやすいかも

しれません。

 

もちろん、地盤は

強い(硬い)方が良いです。

 

しかし、地盤の強さと

同じくらい大切なのが、

地盤の特徴の方なのです。

 

いや、むしろこの特徴の方が

大切かもしれません。

 

調査結果のデータから

地盤の特徴をどのように読み取り、

建物をどのような配置にして、

どのような基礎の計画とするのかを、

設計者は判断しなければなりません。

 

地盤の特徴は多岐にわたり、

地形図や地形区分による

地盤の成立ち(沖積層や洪積層、

関東ローム層などの

歴史的な経緯や地層の種別)、

土質(粘性土や砂質土など)、

地下水位の有無等を把握したうえで、

地盤のバラつきが無いかも

詳細にチェックします。

 

特にこのバラつきが厄介で、

平面的に強弱にバラつきがあれば

部分的に沈下が起きて

建物が傾くかもしれません。

 

断面的にバラツキがある場合、

例えば表層は強いのに

数メートル下に弱い層がある例では、

同じく建物の沈下や傾きが懸念され、

さらにその層があることで

地震時の建物の揺れが

大きくなる可能性も考えられます。

 

その他、

地下埋設物や障害物の有無、

液状化のリスクの高低なども

検討する必要があるのです。

 

住宅程度の規模の地盤調査では、

スクリューウエイト貫入試験が

一般的には採用されます。

 

これは、以前は

スウェーデン式サウンディング試験

と呼ばれていたもので、

ロッドの先にスクリューポイントという

ドリル状の部品を付けて、

載荷と回転により地面にどのように

貫入していくかを見る調査方法です。

 

 

この貫入試験を、

建物が建つ四隅と中央の

5か所以上は行います。

 

調査結果は、

例えばこのようなデータに示され、

各所のデータから先に述べたような

地盤の特徴を読み取ります。

 

次のデータはとても良い

地盤のデータで、

強さもバラツキも無い地盤の例です。

 

良い地盤データ

 

逆に次のデータは、

表層と1.75m~3mの深度の範囲に

弱い層がある例です。

 

弱い層ありのデータ

 

 

さらに次のようなデータの場合は、

地中に何か異物が埋まっている

可能性が高いものです。

 

埋設物ありのデータ

 

データを見ると、深度1mから

ガリガリと異音がして、

1.1mで何かに当たって

貫入が止まってしまいました。

この事例では、周囲でも

同様のデータが採取されたので、

埋設物の有無や範囲等の詳細を

把握するための追加調査として、

重機による試掘を行いました。

 

 

結果、

やはり貫入試験のデータ通り、

地中にコンクリートガラなどの

異物が広範囲に埋まっている

地盤でした。

 

埋設物

 

採取した地下埋設物の一部。

地盤の強さが、

充分ではない場合や

地盤にバラつきが見られ

不同沈下等の懸念がある場合、

異物の混入や埋設が見られ、

地盤の均質さや組成に疑いがあり、

建物を支える地層として

不適切と考える場合は

地盤の改良(または地盤の補強)が

必要となります。

 

こちらは地中に杭を施工している事例です。

 

 

地盤改良の方法や工法は

たくさんありますので、

また別の機会に

ご紹介したいと思います。

 

2000年の法改正以降、

事実上、住宅の新築時には

地盤調査が義務化されました。

 

しかし、

調査と結果の判断次第では、

重大な瑕疵が

建物に発生することがあります。

 

現在でも、

そのようなトラブルは

残念ながら完全には

無くなっていないそうです。

 

地盤の把握とその理解、

そして計画への反映は、

安心、安全な

住まいづくりの礎と

なるものです。

 

皆様も、建物だけでなく

地盤についても

興味を持っていただければと

思っています。

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