日々の暮らし 2023.05.22
風薫る5月。
緑豊かな季節となりました。
毎朝仕事前に、河原へ
愛犬の散歩に行くのが日課ですが、
この時期はバードウオッチングの
人を多く見かけます。
この季節は、渡り鳥の時期で
身近な場所でも珍しい鳥が
見かけられるそうです。
ちなみに初めて知りましたが
5月と10月には世界渡り鳥の日
というのがあるそうです。
毎日、朝日を浴びて
鳥のさえずりをバックに
足下の植物の変化を眺めながら
愛犬と散歩は私にとっては
とても心地いい時間です。
そしてこの時期絶賛繁殖中のドクダミ。
厄介者のドクダミもちょこんと
部屋の中に活けてあげると
かわいらしいのですよね。
さて、
先日のゴールデンウィークのお休みに、
静岡県の天竜地区にある
秋野不矩美術館に行ってきました。
建物が建っているのは
ちょっとした丘の上。
下に車を停めて、坂道を
歩いてのぼっていきます。
その道すがら、
何やらかわいい木こりのスツールやら、
木の簡素なフェンスやら、
空飛ぶ茶室やら、
ワクワクするようなものばかり。
そして辿り着く建物は、
かわいいとしか言いようのない外観。
設計は藤森照信氏。
以前ブログでご紹介した
多治見市にあるタイルミュージアムの
かわいらしい建物も藤森氏の設計です。
外壁はモルタルにこの地の土と藁を
混ぜたものが塗りつけられた土壁風で、
柱や梁はチェーンソーで粗削りした風合い、
エントランス中央にある
一番太い柱は樹齢120年の天竜杉を
地元の林業家からの寄贈で
使われているそうです。
そして前庭にあるかわいらしい
木こりのベンチは、
この切り株を利用しているそうです。
この地の資源をこの地で使う。
ここに建物をたてさせていただく
という敬意みたいなものを感じます。
余談ですが、フィンランドには
手付かずの原生林はほとんどないそうで、
全て人の手の加わった森だそうですね。
育て、人の手で維持管理をし、
資源としての恩恵を賜る。
そうして森も人も生き物も循環していく。
森を愛するフィンランド人の
森に対する敬意なのだと思います。
この建物の可愛さやその土地に建つ
敬意のすばらしさもさることながら、
もちろん展示も良かったです。
この展示期間のテーマが
≪見(けん)の目弱く、観(かん)の目強く≫
目に見える表面的な見方だけでなく、
観の目/心の目で見る
ということを意識する試みだそうです。
果たして私が作品をそのように
見ることができたかは自信ありませんが、
その言葉は物事の本質的なところをみる
審美眼を養うための訓練として
とても大事ですね。
インドに影響されたという
その色使いは大地を感じさせる
柔らかく力強い
そして温かみのある印象で、
建物と作品が通ずるものがあり、
なんとも言えない
優しくやわらかなものに
包まれている感覚でした。
ぜひ、うなぎを食べに浜松方面へ
行かれる際は立ち寄ってみてください!
さて、いよいよ、
HPの現場レポートでご紹介している
『優建築工房森の里のいえ』
オープンがもうすぐです!
こまかいところで、携わらせて
いただいた私の推し場所の1つが、
北庭に続く畳コーナーの北窓です。
北庭から続くと表現しても
良いかもしれません。
北庭はアプローチや駐車場も兼ねており、
その合間に緑のトンネルをつくるように
木々を植えています。
モデルハウスということもありますが、
あえて北側に大きなFIX窓を
設けさせていただきました。
畳コーナー側からみると、
この季節は特に外の木々が
窓一面に感じられ、
とても豊かな景色をつくってくれます。
外から見た時にも
木々の先にある窓の灯りが
あたたかな暮らしを想像させて
くれるといいなと思っております。
そして内と外の境界である窓辺には
暮らしの灯りと一羽の鳥のオブジェを
置いてみました。
木々の先に一羽の鳥がいる。
バードウォッチングです。
そんな仕掛けを
作りたかったのですが、
写真にすると
なかなか伝わりづらいです・・・。
季節はいよいよ芒種。
ものごとを始めるには
良い時期とされています。
どうか皆様の住まいづくりの
手がかりとなるような、
その種を蒔けるような場所に
なれればいいなと思っております。
またHPで告知されると思いますので、
どうぞ一度心地よさを体感しに
いらしてください。
(※注)予約制です)
河原の愛犬。笑ってます。
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