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新築・注文住宅・リフォーム・リノベーションは

湘南・神奈川・横浜の優建築工房

新築・リフォームは湘南・神奈川・横浜の優建築工房 優しい暮らし

スタッフブログ

安藤 るみ子 2015.08.04

優しく丁寧な住まい

暑い日が続きますね。
暑いというより熱いです。
熱いといえば全国高校野球選手権。
いよいよ全国大会始まります!

熱いものの始まりもあれば、終わるものもあります。
この夏、携わらさせていただいたお客様の工事が3件、
完成を迎えてしまいます。

無事工事完成は喜ばしいことなのですが、
ずっとお話ししてきたお客様と頻繁にお会いする機会がなくなること、
それから思いを込めてきた建物と離れてしまうことは、
やはり淋しい気持ちになってしまいます。

その中で今回は、築40年近い戸建てリフォームの
完成のご紹介をさせていただきます。
当時の大工さんの技術と、今回の弊社の誇る
職人さんたちの匠の技との融合。

働き盛りのお嬢さまと、お仕事をリタイヤされたご両親様が
暮らすお住まいのリフォーム。
ご両親様が思いを込めて建てられ育ててきた立派な建物の、
メンテナンスという意味と今後の住まい方も見据えての
リフォーム計画となりました。

振り返ってみると、当初のご希望とは少し離れた内容での
リフォームとなりました。
きっと何をどうしたらいいか、、というところからご相談いただき、
たくさんの日常生活のお話からヒントをいただき、
計画が練り上げられていきました。

お父様がご高齢ということもありお住まいながらの工事で、
大幅な間取り変更もしていませんが、
ほんの少しの手入れがこんなにも暮らしの風景を変えてくれるとは、
私も感動しました。

20150803Rabefore 20150803RAafter1 20150803RAafter2

左が既存、右2枚がリフォーム後の写真です。

20150803RAmuku

柱や長押の見える真壁を残したまま、建具を変え、
畳は桧の床材を張りました、リビング空間としました。
無垢のやわらかな風合いが経年変化で美しくなった
真壁によく合います。

広縁のある2間続きの立派な和室と応接室が南面に並び、
北側にダイニングキッチンという間取りです。
台所は昔から北側に配置されることが多く、家族のいる南側の
お部屋とは引き戸などで分断され孤立感も否めません。
風の通りや自然光も多くを望めず、
でもやはり女性が一番長くいるところ。
私もそうですが、結局台所仕事をしていなくても
台所にいるのが一番便利で落ち着きます。
真壁の和室ですと建具の高さは内法1750程度。
仕切りの建具も引き違い戸ということが多いです。
引き違いですと、かならずどちらか一方には建具が
残ってしまいますから、結局幅80cm弱、高さ180cm弱のみの
リビングとの繋がりになります。

今回はキッチンと面する面のみ壁は壊し、天井の高さいっぱい、
そして2枚とも壁に引き込める建具を作らさせていただきました。
繋がり感は以前の2.5倍。
他の部分は真壁の長押や内法材を残しながら、
この面のみ違和感なく大工さんの技術で美しく納めて頂きました。
透過する部分はワーロンという和紙を挟んだアクリル板を入れていて、
小さなお子さんや高齢の方にも安心感のある素材を使わせて頂きました。
格子はワーロンの規格サイズをカバーできるようデザインしました。
タモという質感のいい無垢材で手にも目にも優しい仕上がりです。

20150803RAseihitu1 20150803RAseihitu2

そしてキッチンから。
40年前そのままの雪見障子を通して
これもまた大事にして来られた庭木を眺めた風景です。
『静謐』そんな言葉が思い浮かびます。

20150803RAkitchen 20150803RAtile

キッチンも新しく。
トクラスのベリーです。
一緒にショールームで高さや窓の位置等も確認しながら
慎重に選んで頂きました。見えるキッチンですから、
壁にはタイルを強引にオススメさせていただきました。
汚れの気になる目地はグレーに。
そして、アクセントに絵柄の入ったタイル。
これは、お母様の姉妹の方が手描きして頂いたものです。
繊細で美しい絵柄と色使いでした。
障子を開放していれば、キッチンに立っているときでも
ふと目を遣れば、外の庭木を感じられます。

20150803RAbarierfree 20150803RAbarierfree2

お父様が普段いらっしゃる応接室も
廊下との段差がなくなるようにいたしました。
ドアだったものも上吊式の引き戸とし、
また廊下には手すりを設け、
安心してトイレへの行き来ができるようになりました。

20150803RAtokonoma

立派な床の間のある和室は壁の塗り替えのみ。
経師をされるお母様。掛け軸も立派です。
お友達を呼んでこちらの和室で教えられることもあり、
こちらの設え(室礼)はそのままに。
立派な和室の雰囲気を損なわないよう使いづらかった押入をクローゼットに。
折戸は使い勝手を考えると建材メーカーさんのものが一番。
その中でもより自然の無垢の風合いの出ているものを選びました。

20150803RAhiroen 20150803RAura

ご来客用とお隣に住まわれる親戚の方の行き来も
しやすくなるよう広縁からの裏玄関もつくりました。
生活上での動線も格段に良くなりそうです。

最初にお会いしてから約1年余り。
どんなことをしたらいいか、本当に悩まれながら
進んでこられたと思います。

丁寧に丁寧に住まわれてきたご家族の住まいへの思いを
弊社の腕のいい職人さんたちが丁寧に仕上げていただきました。

完成後、お嬢さんから『リフォームしてよかった』
そんな言葉をいただきました。
本当に嬉しかったです。

お母様は、何十年も前に素敵だなと思った雑誌の切り抜き
インテリア写真が見つかり、今回の建具のデザインがまさに
そんなデザインだったそうで『やっぱり思いが通じるんだとおもっった』
とおっしゃってくださいました。

ありがたすぎます
長々と書いてしまいましたが
家族同士が思いあうリフォーム。
大人同士がそれぞれを尊重しながら暮らし、
ご家族皆さんが安心してその暮らしを楽しめる住まい
となったのかと思います。
それぞれを思いあう優しい住まい。

作り手側でありながら、たくさんのことを学ばさせていただきました。
長い長い工事期間、お住まいながらで大変だったかと思います。
本当にありがとうございました。

安藤

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