友坂 俊行 2017.03.27
皆様こんにちは。
3月末にも関わらず、今日はみぞれ混じりのこの天候。
暖かく和らいできた気分に体がついていけません。。。
今回は今月御引渡しをさせて頂きましたリフォーム事例をご紹介します。
築37年の木造家屋。
外部は一回もメンテナンスしていないながら
保存状態は申し分なく、当時の施工性の
高さが感じられます。
事前調査でも天井裏や床下も木材の大きな劣化は見られず、
解体後の確認調査でも遜色ありません。
将来のことも見据え平面的な過ごし方をご希望され、
主寝室を1階に確保することとなりました。
1階に耐震補強や間取り変更を伴う大規模修繕を、
2階は内装変更のみの内容です。
当時から使い続けている造作からも
当時のこだわりを感じさせ、
ご両親が残された歴史を思い浮かべながら、
余韻に浸ってしまいました。。。
千本格子障子や床の間の天井・落し掛けなど
新しい空間に取り込ませるようデザインを
継承した細部の設計を致します。
そして出来上がった事例。
廊下の竿縁天井はデザイン性が高く既存維持とする中で、
玄関土間の寒気を防ぐためのガラス戸を設けました。
上部は視界の抜けを存続するため透明ガラスを施しております。
シミついた柱も味が出ているのですが、
新しい空間となると違和感が拭えない為、
落してみることに。
無垢材であることから
薬剤でのシミ抜きよりも
紙やすりで削ってみることにし、
きれいに蘇りました。
現場監督の井出からの提案、
ナイス!
そして床の間材と千本格子の障子は
新しい空間へと移り替わります。
小上りのタタミコーナーに座の目線から、
庭が望める位置で納まった障子。
ちょうど木の影が写し出され、
深い思い出がよみがえるようです。
丁寧に作られた思い出の品々。
時代を経て甦る様は、大量消費の時代に、
あるべき道すじを示唆してくれます。
40年前の仕事。
40年先を見つめる今の仕事。
これからも考えていきたいですね。
友坂
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