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スタッフブログ

平野 聡史 2018.03.05

既製品の上手な取り入れ方を考える ~伊勢原市の新築物件~

こんにちは、設計の平野です。
3月に入り、日差しが出ていると暖かさを
感じられるようになりました。
長い冬を越し、春の近づきを感じられると
なんだか晴れやかな気分になります。
と同時に、やっかいな花粉も一緒に
飛んできてしまいますね~
みなさん対策どうしてますか?

さて、年度末が近付いてきました。
新築・リフォームを計画する上で、
4月からの新生活を新居で
始める予定を組まれる方は多く、
立て続けに完成・お引渡しとなる物件が
いくつかありました。

私たちの家づくりの特徴として、
「天然木材(無垢材及び加工材を含む)
を使用したオリジナルの造作家具・建具」
を積極的にご提案しています。

それは、
おすすめしている無垢の床板や珪藻土などの
自然素材とトータルコーディネートでき、
質感が目にも優しく、時が経つにつれ
味わいと愛着が増してくる素材を使った
造作家具や建具に触れながら、
暮らしを楽しんで頂きたいからです。

既製品(メーカー建材)は、MDFなどの
木材繊維を圧縮成型したものを芯材とし、
木目などがプリントされたフィルムで
ラッピングされているものが一般的です。

非常にリアルな木目が表現されていて
最初はキレイですが、天然木のように
時が経って味わいが出るものではありません。

傷が付けば表面の化粧は剥がれ、
下地が見えてしまいます。

ですので、

可能であれば一軒の家
全ての建具・家具(キッチンも含め)で
オリジナルの造作をご採用頂ければ
大変嬉しいですし、素敵な空間が
出来上がることは間違いないと思います。

ですが、まず問題になるのがコスト面です。

既製品のメリットは、
特に建具はメーカー品であれば、
「建具枠」と「建具」がセットになっており、
大工さんが取付け要領に従い枠の取付と扉の
吊り込みをし、立てつけ調整をすれば完成します。

品物のコストの安さと、
取付にかかる手間もローコスト。

対して、造作建具の出来るまでは、

・建具枠用に無垢材を加工場で切り出す

・現場で大工さんが枠材をカット調整して
建具枠を組み上げ、壁内に納める

・その枠内寸法を建具屋さんが現場で採寸をする

・建具屋さんが工場で建具を製作する

・現場で塗装屋さんが建具枠を塗装する
(クリアワックスなど)

・建具屋さんが現場で建具を吊り込み、
木を削り合わせて建てつけ調整を行う

・現場で建具の塗装仕上げをする
(クリアワックスなど)

といった工程を踏みます。

手間をかければ良い、
というわけではありませんが、

高い品質の造作建具をご提供するには、
どうしてもこのような手順が必要になります。

それは、同時にコスト高にもつながるのが現状で、
同じサイズの建具枠と建具のセットで考えると
倍以上の差が出てしまいます。

当然、ご予算には限りがありますので、

その中で満足度の高い空間をつくるには、
要所で既製品を上手く利用することも必要であり、
それも含めて上手くまとめられるかどうか?!
も設計の腕にかかっていると思うのです。

いくつか、先日お引渡しをさせて頂いた
伊勢原の新築物件の中で実例をご紹介させて頂きます。

玄関ドアはYKKapの断熱ドア。

玄関ポーチ
hrm18.03.04genkan1

深いポーチの水平天井を玄関枠いっぱいにして納めることで
余計な下がり壁が出来ず、端正な印象に。

hrn18.03.04.genkan2

借景
hrn18.03.04.shakkei

玄関を開けると、SCLがあります。
正面の小窓はお隣の緑を借景させて頂くため、
あえてトーメイガラスでご提案しました。

お隣からの目線が気になる位置関係で
無いことは計画時に確認済みです。

SCLには扉は設けていませんが、
隠したくなった時には既製品のスクリーンが
ちょうどよく設置可能な開口幅にしました。

ホール
hrn18.03.04hall

ホールには手洗いコーナー、
向かって右は和室にウォークスルーできるクローゼット、
向かって左がLDKの入り口。

天井はレッドシダーの羽目板張り。

天井高さは外の玄関ポーチと同様に
玄関枠のすぐ上に設定したため、
床から2170と低いですが、
階段との境の壁上部(写真右手前)を開口にしたり、
LDKの入り口建具を天井いっぱいにするなどで
圧迫感は感じません。

リビング
btr

入口のガラス入り建具は、オリジナルの造作建具。
タモ材使用。

テレビボードもタモ材で造作。

横のトール収納は、
既製品のホワイトの収納扉を採用しました。

この収納扉はメーカーの規格寸法で枠上が
「2306」の高さの製品です。

LDKの天井高さは、キッチン背面に
お手持ちの家電・食器収納を設置するご要望が
あったので、「2360」必要でした。

キッチンを見る
btrhdr

その寸法差を利用し、
このTVコーナーは既成品の建具枠上
いっぱいまでの下がり天井に
することにしました

下がり天井
hrn18.03.04sagaritenjou rawan

仕上げはラワンベニヤを張り、
見たときの木の分量が程良く、
落ち着いた印象にできたかなと
思っています。

「木視率」ってやつです。

これが普通に平らな白い天井だったら、
ちょっとのっぺりした印象になっていた
と思います。

設計時のスケッチ
hrn18.03.04sketch

お打ち合わせ時に使用したイメージ共有のためのスケッチ。

以上、一部分でしたが、
既製品を使いながら空間のグレードアップを
図った例をご紹介させ頂きました。

オリジナル造作の建具や家具をもっと
使いやすいコストでご提供できるように!!

仕組みや設計を考えていくことが
課題のひとつだと思っています。

O様
この度は、
大切な住まいづくりのお手伝いをさせて頂き、
誠にありがとうございます。
もうすぐ待望のお引越しですね!
今後とも末永いお付き合いのほど
よろしくお願い申し上げます。

平野

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