安藤 るみ子 2019.09.23
こんにちは。
暑さ寒さも彼岸まで。
空も海も山も風も匂いも、少しずつ秋めいてきましたね。
先日、鹿児島にて、工務店の集まりの勉強会に参加させていただきました。
家づくりが大好きな各地の工務店の人たちが、
鹿児島で不動の人気の「シンケン」という
地域工務店の家づくりを学びに集まる会です。
こういった機会に参加できるのはめったにないことなので、
強行スケジュールでしたが、大いに学ばせていただきました。
鹿児島は、実に高校時代の修学旅行ぶり。
実に、、、なん年ぶりでしょう、、、言いたくありません(笑)
鹿児島空港に降り立つ間際、上空から、
桜島や豊かな山々、そして大地の緑が視界に飛び込んできて、
普段は中々感じられませんが、
ああ、確かに日本の国土の7割が森林だったのだ！と実感でき、
とても尊く美しい光景でした。
空の上からというのは、
自分たちがこの地球、大地の一部なのだと、
鳥瞰俯瞰して見ることができるのもまた、いいものです。
到着早々、何件も工事中や完成間近の現場を見させていただきました。
これぞ鹿児島。
もちろんロケーションが良いのは言うまでもなく、
それをしっかりと活かし、どこも大地に根付くような佇まい。
建物の高さを抑えているのは共通されています。
お引き渡し前には、植栽もしっかり計画され、
すでに植えられているのにはびっくり。
これから住まい手とともに根付いていきます！と言わんばかりです。
そのせいか、お引き渡し前でも、もうすでに街の景色の一部に
しっかり馴染み始めています。
予算や工期に限りがある中ではなかなかできることではありません。
細かなオサマリや、働き方含めた業務形態など、
学ばせていただくことは山とありましたが、
一番感銘を受けたのは、
こういった建物を土地に根付かせ、
自分たちが作る家というのは街を作る景色の一部なのだと
いう作り手側の意識の高さです。
その土地に対する愛情だったり、
この街を美しくしたいという思いだったり、
近隣も楽しく過ごせるようにという配慮だったり。
中を充実させるだけではなく、
外を美しく楽しくしていくことで、
こうした家づくりの美しい姿勢は、
見事に伝染していき街づくりになっていきます。
神奈川も負けず美しい街をつくっていくために、
しっかりそこまで見届けられるよう努力をしていかねば！です。
このカツラの木が植えてある足元は、敷地の境界線上にあります。
お隣さんと共有して草花を植えられるようにしているそうです。
フェンスで仕切るのではなく、花壇で境界をなくす。
なかなか都市部ではできることではありませんが、
見習うべき姿勢だと思いました。
子ども達の心根も育ちそうですね。
以前、住宅建築の巨匠吉村順三さんの対談本の言葉を思い出します。
「都会のような住宅が密集しているところでは、まず隣近所のバランスを考える
—中略—
昔の下町では 隣の人がこうやったから自分のところもこうやろうって
気持ちがあったんだよな、そういうエチケットが、
それがあったから近所の人ともいい付き合いができたんだよな」
と。
先日の台風では、関東も甚大な被害があり、
千葉では今も停電の復旧作業に時間がかかっているそうです。
遅れの要因の一つに、
倒木等の処理に不慣れだということもあると聞きました。
鹿児島では、台風の多い土地柄ですから、
住宅においても屋根の作り一つ、当然のごとく配慮しているそうです。
それでも近年の自然災害は想像を超えていき、
私たちがどう自然と共生できる建物をつくっていくか、
さらに考えを深めていかねばならないのでしょうね。
今や自然災害大国日本なんて言われています。
近隣の環境に合わせ、外観を整えたり、植栽を配置したり、
その土地に馴染む住まいの佇まいは、
自然に抗わず、私たちの暮らしが自然と共生していきたいのですよ、
というメッセージのようにも感じます。
そんな風に皆様の住まいのお手伝いをしていきたいと感じさせられました。
弊社施工事例：眺望を暮らしに取り込むロフトの窓
弊社施工事例：玄関戸を開けた先の景色
弊社施工事例：階段下りた視線の先
弊社施工事例：夕暮れ時、樹木越しの外観
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