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平野 聡史 2019.10.28

災害に備えた住まい 大和市新築

こんにちは、設計の平野です。

各地に大きな被害をもたらした台風19号。

その後も記録的な豪雨にも見舞われ、

被災地は河川の氾濫や土砂崩れで

さらに被害が拡大してしまったようです。

今までは100年に一度起きると想定されていた災害が、

これからはもっと頻繁に起こるかもしれません。

住まいをつくる者、家族を守る者として

どのような備えをするべきなのか・・・

 

そんな中、間もなく完成を迎える大和市の新築物件があります。

 

大和市の境川近くの建売住宅にお住まいのS様ご家族。

ご高齢のお母様との同居や、今の住まいの不満点解消を

検討されており、お打合せを重ねた結果、

建替えの新築工事をお任せ頂くことになりました。

 

 

お施主さまは、すぐ近くを走る境川の氾濫に備えた家づくりを考えておられ、

せっかく建替えるなら洪水が起きても床上まで浸水しない家にしたい。

というご要望を受け、詳細の設計に入っていきました。

 

基礎の高さをどれだけ上げるか??

そこで参考にしたのが、市で発行されている「ハザードマップ」。

 

大和市ハザードマップ

 

ハザードマップには、河川の氾濫による洪水の被害想定や、

避難場所などが載っています。

今回の台風や水害により、目にした方も多いのではないかと思います。

 

このハザードマップによると、境川が100年に一度の大雨により

洪水が起きた場合、S様邸のある場所は「浸水深さが1~2M未満の区域」

の想定になっていました。

そこで、境川からS様邸までの高低差を考慮し、基礎高さ・床高さを設定。

 

通常、基礎の高さは設計地盤面から420ミリを標準としていますが、

S様邸では地盤面から約1080ミリの基礎高さに設計しました。

 

基礎が出来上がった時がこちら。

 

 

この基礎だけを見たご近所の方は、一体どんな建物が建つだろう??

と思われたに違いありません。

ですが、こちらの用途地域は第一種低層住居専用地域になり、

北側斜線高さと最高高さに制限がかかるため、

3階建てのような高い建物は建てられません。

建物そのものは控えめの佇まいにしています。

 

 

外構はこれから。

玄関ポーチはウッドデッキで造る計画です。

 

 

屋根には太陽光発電システム+室内に蓄電池も備えた、

パナソニックの創蓄連携システムを採用。

停電時には蓄電池からの予備電源に切り替わります。

(使える回路には限りがあります)

これも災害への備えに。

 

 

先に見えているのは、境川を横断する水道管。

市の土地です。

基礎高を上げた分、上部構造の高さが制限されるなかで、

居室として居心地の良い空間を確保をするため、

構造や形状を検討していきました。

 

斜線制限が厳しい2階北側の天井が、

一番低いところで1600ミリ程になりましたが、

すぐに勾配天井で上がっていくので、

お部屋の使い方として問題は無く、

メリハリがあり面白味のある空間になったと思います。

内部の様子はまた改めてご紹介させて頂きたいと思います。

 

先日の台風19号上陸の際には、

境川が氾濫危険水位に!?という情報を聞き、

まさか工事中にその有効性が試されてしまうのか・・・!?

と緊張感が走ってしまいましたが、氾濫はなく安心しました。

 

何が起こるかわからなくなってきたこの地球環境。

これからのご家族の安全と安心を見据え、

住まいの建替えと高基礎をご決断されたS様に恐れ入る思いです。

 

その場所の気候風土に合い、

長持ちして安心して暮らせる住まいを造るには、

起こり得る「災害」の対策も考慮していく必要性を

改めて考えさせられる機会となりました。

それではまた!

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