日々の暮らし 2020.03.09
こんにちは。落ち着かない日々が続きますね。
見えない敵と戦う日々、皆さまお疲れ様でございます。
そして3月11日は、東日本大震災から丸9年。
本当に毎日の普通の普段の日常というものの大切さを改めて感じます。
そんな普通の普段の毎日をどんな風に過ごすか、
どんなところで過ごすか、
私たちはそのベースになる家をつくる者たちなので、
その大切な日常を過ごす家というものに、
ついつい思いを巡らせてしまいます。
不要な外出も控えるようになり、テレワークやお子さんたちの臨時休校。
普段とは違う普通ではない日々の中でもまた、
心地よく過ごせる住まいであればいいですね。
先日完成した愛川町のご新築のお住まいです。
伸びやかな環境の中、
まだ小さなお子様のいらっしゃるご家族のお住まいです。
ゆくゆくは家庭菜園もなさりたいと、庭を多く取り、
慎ましく丁寧な切り妻屋根のお住まいとなりました。
みんなでゴロゴロできる畳コーナー。
そして、その間仕切りにみんなが使いやすい腰の高さの本棚。
通路側からも使えるようになっています。
大きな南側の窓には、全部壁の中に引き込むことのできる障子戸を設け、
太陽の光をやわらかくしてくれています。
西側の山の借景は、リビングからも、また吹き抜け越しに
2階の和室からも望め、切り取った窓は、色合いがとても素朴で 、
コローの風景画のよう。
そしてなんといっても素材。
とことん慈しんでいただけるような、桧の床や、珪藻土の壁。
さらに一番手に触れそうなキッチンのワークカウンターには、
ナラの無垢材をはぎ合わせて使わせていただき、
角は丸みをもたせて、とってもやわらかな触れ心地を。
とてもスタンダードな設計の中に、
素材の触れ心地や、目線の先や、陽光の行方や、
心の琴線に優しく触れてくれるような思いを込めてつくりました。
なんだか、
これが普通という心地よさだと、
実感させてくれたお住まいとなったように思います。
普通の家?=
というと、とてもつまらないように感じてしまいますが、
いえいえまったくそうではありません。
普通の家ほど長く居て、
心地よさをじわじわと感じさせてくれると信じて疑いません。
普通の家だからこそ、
細かなディテールの設計や、
大工さん職人さんたちの技量が必要になり、
そのさりげないディテールが、
後々の長い暮らしの中で生きてきます。
普通の家は奥が深いです。
現場レポートでリフォーム工事のご紹介をさせて頂いていた
Iさまの完成間近の素敵な光景。
春の陽射しが中庭の木越しに室内へ。
桧の床にうつるその影がゆらゆらと
とても優しい雰囲気にうつっていました。
先日伺ったOBのお客様の玄関先には、
畑にあるという桜と菜の花が活けられていました。
大変な日々の中にも、素敵な心意気でした。
今年の桜は早そうですね。
お花見も自粛モードですが、
少しでも早い事態の終息と、
皆様が日々の普段の普通の暮らし(日常)を
送れるようになりますように願うばかりです。
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