fbpx

新築・注文住宅・リフォーム・リノベーションは

湘南・神奈川・横浜の優建築工房

新築・リフォームは湘南・神奈川・横浜の優建築工房 優しい暮らし

スタッフブログ

日々の暮らし 2012.03.20

寄り添う環境

こんにちは。季節の変わり目。
毎日寒暖の差が激しいですが、
みなさま風邪などひかれていませんか?

我が家のキッチンの窓からは、
向かいのおうちの庭の木々がよく見えます。
ふと、ある朝気がつくと、少しずつ芽吹いていた
紅白の梅や河津桜が満開を迎えていました。

ほんの1ヶ月前は、この温暖な小田原でも雪が積もり、
ブルブル寒い寒いと震えていたのに、、、。
家の中から春の訪れを感じることができました。

そう、ちょうど1ヶ月とちょっと前、雪が降った翌日でした。
品川にある『原美術館』に行ってきました。

元は実業家の邸宅で、1930年代のヨーロッパモダニズムを
取り入れた建物。
設計は上野の東京国立博物館や銀座の和光を設計した
渡辺仁氏。

現代美術品をメインに展示していますが、
私が目を奪われてしまうのはやはり建物と庭園と、、、。
都心にありながら、ひっそりと佇む邸宅は、
歴史に残すべき貴重な存在です。
周りもその邸宅を覆うように木々があり、
木々の間から溢れる陽の光がとても暖かく感じました。

廊下や階段そして窓まで、曲面をところどころに用いています。
階段や廊下では、一瞬方向感覚がわからなくなりますが、
次にくる空間への期待感が高まります。

窓で曲面を用いていると、外の景色をパノラマで楽しむことができ、
室内にいても庭の木々と一体になっているような感覚に。
本当に窓の取り方一つで、受ける印象は大きく変わります。

新築の計画の場合は、まわりの環境とのバランスが分かりづらい為、
このような模型を製作します。

隣地との関係、道路からみた建物、それを取り巻く景観。

ここへ窓をとったら、どのようにまわりが見えるか、庭とのつながりなどなど。
そして、必ず模型には植樹を。
スケッチには木々や草花を描きます。

お庭や周りの環境が木々や草花で溢れている立地では、
是非それを今まで以上に活かしたい。
日々の暮らしの中で、木々や草花の変化を楽しめる
住まいの環境にしたい。

そんな思いを描きながら、それを表現し伝える為に
模型を製作したり、室内から見たスケッチを描いたり。

私が大好きなフィンランドを代表する建築家、
アルヴァ・アールトの言葉に、
『人間の一生は悲劇と喜劇の取り合わせです。
私たちの身の回りにあるデザインや形あるものは、
この悲喜交々の日々を伴奏する音楽なのです。
家具、布、色のスキーム、
建物は、人間の悲しみや喜びに自然に寄り添えるよう、
適切で誠実につくられたものであるべきです。
※訳:斎藤裕氏』 とあります。

私たちが日々暮らす住まいは、それぞれの生活のステージであり、
子供たちにとっては、これからの感性の土台になるものだと思います。

我が家にも昔は広い庭があり、夏みかんや柿の木にのぼったり、
果実をとったり、そんな古い記憶が頭の片隅にあります。
私が小学生のときに、子供部屋を増築をするため
その庭の半分が取り壊され、
姉が初めてのマイカーを駐車するために
そのすべてを取り壊してしまいました。

そして茶の間から見る景色は一変してしまいました。

当時は庭が私に与えた影響など考えもしませんでしたが、
今こうして日々家づくりを考えていると、
そんな幼少期の記憶というのが大きく影響していると感じます。

嬉しい時も悲しい時も、いつも寄り添う住環境。
それがどんなものであるか、私たち家づくりをするものは、
大切に考えなければなりません。

庭がなくても、住宅密集地であっても、マンションであっても、
遠くの木でも隣の木でも空でも山でもいいので、
何か自然を感じられる景色を住まいの中に取り込みたい。

いつかそこで育つ子供たちが大人になったとき、
頭の片隅に自分が育った環境が生かされてくれれば。

今、私たちが取り組んでいる「環境配慮型設計」
とても奥が深く、行き着くところは地球温暖化防止。
限りある資源を有効に使うこと。
これは何年も何百年も取り組み続けていかなければならないことであって、
それを前提に生活を考えていかなければならない事態です。

これからの未来をつくっていく子供たちが
自然と地球を守る心で育っていってもらうためにも、
まずは、私たちの住環境というステージづくりが、
環境や住む人に対して適切で誠実なものとなるように。

なんだか今回はとても重たく真面目に書いてしまいました。

ということで、冒頭に書いた向かいの庭の河津桜だけでは、
物足りず、勢い余って少し脚を伸ばし、
伊豆河津まで本場の河津桜を見に行ってきましたー!!!
時すでに遅し、半分葉桜になりかけていました、、、。

菜の花との色のコントラストがとても綺麗です。

CATEGORY

カテゴリー

PAST BLOG

旧ブログはこちら

ARCHIVE

アーカイブ
優建築工房の季刊誌
page top

page top

page top