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スタッフブログ

日々の暮らし 2019.03.04

水平と垂直の線 ~暮らしの風景~

こんにちは。
陽もだんだんとやわらかくなり、花もにぎやかに、鼻もムズムズと、、、、
春を感じるころとなりました。

お引渡しさせていただくお客様も続き、新しい暮らしが始まることに、
私もワクワクしています。
また、最近取材や撮影などで、新しい暮らしがはじまり
しっくり馴染んでこられたお客様のお住まいに伺う機会もあり、
感慨深く感じることも多くありました。

ご新築もリフォームも完成直後はお荷物もなく、
まだ人が住んでいない状態ですので、
ただただ仕上がり具合や、空っぽの空間の造形にしばらく浸ります。

暮らしが始まったお住まいに伺うと、これまた嬉しいのです。
家具や家電、生活雑貨、またお気に入りのモノたちが入り、
その住み手の方々の生きた空間を感じられます。
背景となった建物という空間がどんなふうにその暮らしに
寄り添ってくれているか拝見でき、大変ありがたい機会です。

そして、そこであらためて感じることの1つに、
「水平と垂直の線の効果」があります。

空間を設計する時、水平と垂直の線のバランス、そしてそこで生まれる
余白(面)のバランスを意識して図面の線を引いています。
いざ暮らしがはじまると、暮らしの道具が入り雑然となりがちですが、
その線や面がうまくいっていると、空間に秩序が保たれ、
違和感のない心地よさが生まれるように感じるのです。

 

次回の季刊誌でご紹介させていただく、鎌倉市のTさま。

空間を間仕切る格子戸は天井の高さまで。
ガラスを透明にすると、線が際立ち繊細さを表現してくれます。
また奥の地窓、そして向かって右側の玄関へ続く格子戸は
にじり口のようにあえて低くし、鴨居を同じ高さで一本の線で通しています。
鴨居の上の壁が余白となります。
凛とした雰囲気をつくってくれ、地窓の障子の鴨居は少6cmくらいの奥行になり、
一輪挿しや小さなお気に入りのコモノを飾ってくださっています。

 

本物のカメラマンの撮影に同行させていただいた厚木市Kさま。
本物のカメラマンの撮影の隙に偽のカメラマン(私)がパシャパシャと。
本物のカメラマンが撮影していただいた画像は近日中にHPにアップされると思います。

さて、写真は客間となる和室からダイニング方向をみています。
(同じアングルで徐々に近づいています。)

リビングとダイニングは一体の空間となるよう天井の高さの障子戸で間仕切っています。
対象的に客間となる手前の和室は元のお住まいの思い入れのある障子やランマを
活かさせていただいていますので、1m80cm程度の仕切りです。
その高さで鴨居が通ることで、続き間でありながら結界になるような。
こちらでは鴨居の上を壁ではなく千本格子のようにして透明ガラスを入れました。
抜け感があり、その鴨居や柱が線となって軽やかになってくれています。

 

奥へ進むと家族のワークカウンターのあるダイニング。
カウンターは壁から壁いっぱいに水平の線を通しています。
下に本棚スペースを設けていて、暮らしの道具も雑多にならないように。
また、カウンターの高さはダイニングテーブルに合わせていたり、
キッチンとの間仕切りの対面カウンターと横長の窓の下枠の高さ、
そして手前のカウンター収納の高さを揃えています。
ダイニングは家族が集まる場所で雑多になりがちですが、
線に一定の基準を設けることで、基調ができ、
秩序の整った心地よい空間を感じることができます。
線はあくまで空間を整える背景になります。

こちらは、完成間近の厚木市のIさまです。

キッチンに立った時に正面に見える奥の畳コーナーとの間仕切り壁。
色々な線が混在していますが、
鴨居とタテの枠がクロスを描き、基調となっています。
珪藻土など素材も混在していますが、
縦横の線が整うことで、その素材感が際立っているように思います。

日本の建築は、基本的には柱と梁からなる線の建築です。
線は私たちにとって昔から馴染みのあるものです。
建築に限らず、空間を大きくとる「余白の美」や
左右非対称の「アシンメトリー」の感性は日本特有だそうです。
先人たちは線をずらしたり、操作することで、
余白をつくり美徳を感じてきました。

 

空間の線はある一定の規則性を持たせることで、
秩序が保たれ、暮らしが始まってからも雑然としがちな空間を補ってくれます。
心地よく感じる効果が生まれる所以の1つと信じています。
バラバラの線ではどこか落ち着きがないように感じてしまうのではないでしょうか。
その一本一本の線を丁寧に考え、図面上にひくことで心地よい
暮らしの風景をつくっていきたいと思います。

安藤

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