2012.01.24
座間市Y様邸の工事が始まりました。
Y様邸は築年数25年の在来工法2階建ての木造住宅です。
お施主様は中古でこの物件を購入されてから十数年お住いになっており、
今回のリフォームで2階部分の増築を含む大規模な改装を行う計画となりました。
仮設トイレ等の設置を行い、解体工事が始まりました。
まずは内部をスケルトン状態にするため、
設備機器を撤去し、床・天井・内壁を剥していきます。
筋交いはしっかりしたものが入っていましたが、
外周の壁内及び床下には断熱材が入っていませんでした。
冬は寒さが厳しかっただろうと想像できます。
もちろん今回の改装で断熱材を充填していく計画です。
引き続き解体を進めながら、既存構造体の劣化具合などをチェックしていきます。
2012.01.31
先週に引き続き解体工事が進みました。
1・2階とも柱・土台・梁などの構造部分と外周の壁を残した状態です。
2階
構造体が姿を現したところで、解体後の検査を行いました。
大坂常務と設計担当者を交えて、
・シロアリ被害や漏水などによる構造体の傷みがあるか
・間取り変更のため、柱を抜く部分などの補強方法
・給排水配管移動に問題はないか
等のチェックを行います。
抜く柱にかかっていた荷重を、
いくつのせいの梁を使って補強するか?
それによる天井高さへの影響は?
などひとつひとつ検証していきます。
計画に変更が生じる場合などは、
お施主様に現地でお話しさせて頂き、
その後の工事へ反映させていきます。
引き続き、2階外部の解体などを行います。
次回は基礎工事の予定です。
2012.02.07
玄関ポーチ部分に、
増築する2階の角を支える柱のための基礎(四角く出っ張っている部分)と、
土間部分を広げるためのコンクリートが打設されました。
基礎2
宅内にも、新しく柱を立てる部分に独立基礎を造りました。
大きな加重を背負うため、ベース・立ち上がり共に大きめに造っています。
真ん中に出ているアンカーボルトは、柱と緊結させるために埋め込んで
おいたものです。
配管
給排水の配管工事も行いました。
2階にキッチン・ユニットバス・洗面所を造る計画なので、
1階のクローゼット内にパイプスペースを造り
給排水管・追炊き用の配管を立ち上げます。
大工工事に先行して、途中まで配管しておきました。
次回から大工工事が始まります。
2012.02.14
いよいよメイン工程とも言 える大工工事が始まりました。
まずは足元を固めるため、
土台まわりの金物補強や、新しい柱・筋交いを入れることから始めています。
地震時には、柱・土台・筋交い それぞれを引き離す力が働きます。
その引き抜き力に対抗するために専用の金物で補強します。
エアコン配管のために穴を空けられてしまったと思われる
かわいそうな筋交いは、耐力が期待できないため交換しました。
4M以上の長いスパンで架かっていた梁の下には、桧の新しい柱を立てました。
前回登場した独立基礎の上に立て、荷重をしっかりと地面に伝えます。
あまりに長い距離を梁で飛ばしていて恐かったのですが、
途中に柱が立ったことにより安心感が出ました。
土台絡みの金物が付け終えたら、床組みを進めます。
大引きを3尺(910ミリ)ピッチで流して鋼製束で支えます。
その上に根太材を並べている所です。
次回も引き続き床組み、構造補強を進めます。
2012.02.21
床組みの続きです。
根太を尺(303mm)ピッチで敷並べて固定。
大引きとのキワには、床鳴り予防のため根太ボンドを塗りつけています。
根太が組み終えたら断熱材をはめこみ、
捨て張りの合板が張られていきました。
足元が良くなったところで
1階上部(2階床梁レベル)の構造補強に入ります。
元和室だった部分。間取り変更のため、床柱を撤去します。
補強前1
柱を抜いた分の強度を、大きなせいの梁で補強します。
梁せいは上部構造の架かり方(力のかかり方)を考慮の上、
技術責任者である大坂常務と一緒に決定します。
補強前2
ここは中央の柱を2本抜かなければなりません。
ちょっと複雑な架かり方をしていたので大変でしたが、、
このように梁を入れて補強しました。
既存の梁との緊結は、ボルトや金物では難しいカタチだったので、
構造用合板でサンドイッチして釘打ちの方法を取りました。
梁補強 合板
梁の下の方は天井から現しになるので残してあります。
仕上がり後の状態も見据えつつ、臨機応変に補強していきます。
次回は、2階の構造補強・床組みに入ります。
2012.02.28
2012.03.06
増築工事が始まりました。
既存平屋部分の屋根を壊します。
屋根部分が壊され、2階の床梁が架かっているだけの状態になりました。
この梁の上に、新しい柱を立てていきます。
以前基礎を造った場所にも柱を立てます。
増築部の構造材は、あらかじめプレカット工場で仕口をつくって
きてあったので、どんどん組みあがっていきました。
筋交いも入り、まわりを防水紙で覆って養生しました。
次の日から天気がくずれそうだったので、ここまで出来て一安心でした。
2012.03.13
天井裏には屋根勾配に添ってセルローズファイバー断熱を行います。
2階に勾配天井のLDKやロフトを計画しているので、
屋根裏面の断熱が快適性に非常に大きな影響を与えます。
そのため断熱性能が高い「麻入りセルローズファイバー」を吹き込む
工法を採用しました。
セルローズファイバーは、新聞古紙を再利用して出来た断熱材のため
たいへんエコロジーです。
下地の木材を大工さんが組み、シートを張った後、ホースを使って吹き込みます。
2階南側は下屋を解体し、バルコニーを造ります。
床面と立ち上がり面に珪酸カルシウム板を貼り、FRP防水を施しました。
不安定な天気が続いていたので心配でしたが、
なんとか雨に降られず施工出来ました。
2012.03.20
前回FRP防水を施したバルコニー面は、新しいサッシが取付けられました。
屋根工事や塗装工事のために、バルコニー内にも足場を建て直しています。
内部は、天井下地組みを行いました。
セルロースファイバーを吹き込んだ面の下に、電気配線用のスペース分
下げたところに仕上げ用の天井を組みました。
天井下地が組めたところには新しい電気配線を這わせています。
2階は床板を張りはじめました。
桧の無垢フローリングを使用。
一枚一枚丁寧に張っていきます。
張ったところから、キズが付かないように養生を2重使いで施します。
完成直前までこの状態で、
しばらく陽の目を見るのを待ってもらいます。
養生を剥したときには桧の良い香りが広がります。
2012.03.27
外部は、大工さんによりサッシ取付及びラスモルタル下地打ちが
出来たところから左官工事にバトンタッチです。
防水紙(アスファルトフェルト)を張り、その上に「ラス網」を打ち付けます。
リフォームの場合、サッシ交換などのため部分的にモルタルを切り取っています。
そこからの漏水を防ぐため、既存外壁との境目にはこの段階でコーキングをしっかりと施しました。
その後下塗り(ラスこすり)を行います。
数日置いてから仕上げ塗りを行いました。
今は当然ながらツギハギが目立つ状態ですが、後の塗装工事で一手間加えると
目立たなく馴染みます。
仕上げモルタルを塗り終えてから、しばらく養生期間を設けてから塗装を行います。