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スタッフブログ

中込 和之 2019.05.06

住まいを語る ~近代建築遺産~

こんにちは。

設計の中込です。

前回からの続き、住まいを語る。

今回は「近代建築遺産」

 

令和時代がスタートしましたね。

5月1日の即位された映像は、

何か新しい時代がスタートする感が、

とてもうれしく、頼もしく見る事ができました。

また改めて日本人なんだなぁと感じる瞬間でもありました。

 

昭和から平成へと変わる時は、

慌ただしく、昭和天皇を亡くした悲しさを引きずりながら、

始まった感が強い気がしましたが、

生前退位(譲位)も良いものですね。

今回の平成から令和への変換は、

世代を新たに、新しい時代が始まる、お祝いモードの中で

希望を抱いて、スタートしたように感じました。

 

「あけましておめでとう」という言葉もあったようですが、

おかしいですが、何となくわかるような気もしました。

みんな期待をしているという事でしょう。

 

そんな連休スタートで、お休みを頂いておりました。

いつもは混んでいる時は、出かける事を避ける人間なのですが、

何かしなくてはという気持ちも高まり、鎌倉に出かけました。

お目当ては、神奈川近代美術館、改め、鎌倉文華館の記念イベント

「新しい時代のはじまり」展です。

 

 

 

神奈川近代美術館は2016年に惜しまれつつも閉館しました。

その後、どうなるのかずっと気になっておりましたが、

この度、鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして、

今年の6月からオープンする事になっています。

その前段として、建物の耐震改修工事の全貌を公開する

「新しい時代のはじまり」展。

4月20日~5月6日までという短い期間でしたので、

今、行くしかないという気持ちも高まり、足を運びました。

 

 

神奈川近代美術館は1951年ル・コルビュジェの弟子、

坂倉準三が設計し、戦後間もない頃に完成した美術館です。

 

何より立地が良いですね。

鶴岡八幡宮の境内にあるという落ち着いた環境。

鬱蒼とした緑や目の前に池があるという場所性。

建物は四角いモダン建築なのですが、

日本らしさ、伝統も継承しているコンパクトでかわいらしい美術館です。

 

中でも印象的なのは、池に面して計画されたオープンスペース。

構造は鉄骨造ですが、木造を思わせるような連続する柱。

池の上に自然石が並び、その上に柱が立っている様子、

大きく張り出しが二階部分の下、深い軒下空間にいるような

感覚を覚えます。

 

 

また西側大階段のあるファサードも印象的です。

大階段の先に垣間見る中庭のオープンスペースと中央の細い鉄骨柱。

横から見ると赤く塗られているのが、モダンで素敵です。

 

 

1951年と言う戦後間もない頃に建てられたという点が

この建物の価値を引き上げているように感じます。

戦後の復興の最中、行政もそれ程十分な予算もなく、

安価な材料で、最大限素敵な空間を作ろうとした

坂倉準三という人の意思が、この建物を長く、

地域や美術愛好家の人々に愛され、

たくさんの人の思いが集まり、残され、

今に継承される事になったのだと思います。

 

そういう視点でみると簡素な建築に見えませんか。

 

今回の建物再生に関しては、耐震的に脆弱だった部分を

大幅に耐震改修し、坂倉準三の意思に沿うようオリジナルに

近づけるような工事を行った事がわかります。

 

 

 

 

この展覧会の図録に執筆されている

内藤廣さんのコメントが印象的です。

 

「建築」は抽象名詞で「構築する意思」

とでも訳すしかない類いのものです。

だとすると、この建物の中に残っている

構築しようとした意思、

それこそが、「建築」なのです。

…守るべきは

この建物が発している「建築」と言う名の意思です。

それは先人が残した次世代への貴重なメッセージです。

このメッセージを傷つけることなく利活用して

次世代に渡すことが建物を生かす上で

大切なことだと思っています。

 

続けて

 

寺社仏閣の歴史からしたら百年に満たない近代建築の歴史は

とるに足らないものかもしれません。

それでも第二次世界大戦後の日本の状況は、

長い歴史の中でも大きな危機の時代であり、

その時代の人たちが近代建築を唯一の糧として

生きようとした証しは貴重なものであるはずです。

それは困難な未来を生き延びる精神として

後世に役立てるべきものだと思っています。

 

「構築する意思」。

それを後世に役立てるという事。

 

建築が形や機能を超え、人の思いが集積していき、

引き継がれ、残っていく。

 

いいですね。

いい時代の幕開けです。

さあ、頑張りましょう!

 

続きは次回。

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